太陽光PPAとは

企業の脱炭素化が進むなか、無料で太陽光発電を設置できると注目されているのがPPAサービスです。この記事では、最小限の経費でCO2や電気代を削減したい企業様むけに、産業用太陽光発電のPPAサービスを解説します。

従来の設置方法である有償設置との違いを掘りさげますので、ぜひご参考ください。

太陽光発電のPPAサービスとは?

太陽光発電を無料で設置できるサービスです。日本では馴染みがないかもしれませんが、海外、特にアメリカでは盛んに導入されているサービスです。

日本でも最近は導入する企業が増えており、イオンモールやドコモショップといった大手企業も、PPAサービス経由で太陽光発電を設置しています。

大企業すらも動かす魅力は、なんといっても初期費用0円、定額料金0円という破格の料金体系にあります。なぜ無料で設置できるのか、その理由はPPAサービスが第三者所有のモデルだからです。

太陽光PPA図解

簡単に解説しますと、太陽光パネルを設置する場所を貸すことで、発電設備をレンタルするようなものです。

料金はかかりませんが、発電した電気の所有権はPPA事業者側にあります。事業者に電気代を支払うことで、発電したクリーンな電気を使えます。

この革新的な仕組みにどういったメリット・デメリットがあるのか、順にみていきましょう。

PPAで太陽光発電を設置するメリット

太陽光PPAのメリット
  1. 初期費用・利用料金0円
  2. メンテナンス・修理費用0円
    ※契約期間内の場合
  3. 電気代の削減(再エネ賦課金を削減)
  4. 停電時は太陽光発電の電気が使える
  5. 脱炭素化対策として有効
  6. 契約期間終了後は、太陽光発電が無償で譲渡されるケースが一般的

料金が無料というのも魅力的ですが、電気代を削減できるというのも大きなポイントです。一般的にPPA事業者が提供する電気料金プランは、従来の電力会社よりも安価な傾向にあるため、経費削減としても優秀です。

また、発電した電気にかぎりますが、太陽光発電の電気はCO2フリーであり、停電時に使用できます。BCP対策を検討している企業様にもうってつけというわけです。

PPAで太陽光発電を設置するデメリット

太陽光PPAデメリット

非常にお得なPPAサービスですが、まっったくメリットばかりではありません。第三者所有という仕組み上、以下のようなデメリットが生まれます。

  1. 売電できない
  2. 契約期間内は自家消費できない
  3. 従来の設置方法よりも、設置条件が厳しい可能性がある
  4. 契約期間は10~20年で、途中解約は相応の解約費が発生

①と②は電気の所有権がないゆえのデメリットです。両者ともに有償設置なら得られるメリットであるため惜しいですが、初期費用・利用料金0円を考慮すると、得られるメリットのほうが大きいでしょう。

問題なのは、上記③~④です。PPAサービスは事業者が営利目的で運用しているため、設置条件は自社で購入するときよりも厳しめになります。

そもそも、PPAサービスを設置するのが難しいというケースも十分に考えられるため、その点を留意しておきましょう。

PPAと有償設置の違いを比較

PPAと優勝設置

PPAを利用するうえで気になるのが、従来の設置方法である有償設置とPPAならば、どちらがお得なのかです。結論からいえばケースバイケースであり、設置先ごとに異なるため、その点を踏まえてそれぞれの違いをごらんください。

初期費用

有償設置:全額もしくは分割払い
PPAサービス:0円

PPAサービスは0円ですが、じつは有償設置もローンやリース契約を利用することで、実質0円にできます。ただ、ローンやリース契約の場合は、初期費用が0円になるわけではなく、毎月一定額を支払うことになります。

加えて金利も発生するため、初期費用を全額支払ったパターンと比べて、トータルでの費用は高くなります。

有償設置でどの程度費用が発生するかは、設置する規模や業者によって大きく異なります。PPAと有償設置でお悩みのかたは、両者の見積もりを比較検討するのがおすすめです。

PPAサービスやローン、リース契約など、太陽光発電を0円設置する方法は、こちらの記事でも比較しています。

https://www.tainavi-next.com/library/616/

ランニングコスト

有償設置:リース料金(分割費用)、メンテナンス費用、修理費用
PPAサービス:0円

有償設置は自社で所有するため、メンテナンスや修理費用がその都度かかってしまいます。修理費用に関してはメーカー保証で無償となるケースもありますが、費用面ではやはりPPAサービスに軍配が上がります。

ただ、契約期間を過ぎると太陽光パネルは自社のものとなると、メンテナンス・修理費用も自社負担となりますので注意しましょう。

電気代の削減額

有償設置:発電した分は無料で使える
PPAサービス:発電した分は有償で使える

電気代の削減に関しては、有償設置が優れています。確かにPPAサービスも従来より安くなりがちですが、無料にはおよびません。また、どれくらい電気代が安くなるかは契約するPPA事業者・契約内容によって変動するため、そちらも精査する必要があります。

売電収入

有償設置:発生する
PPAサービス:発生しない

PPAサービスは電気の所有権が事業者側にあるため、売電収入は得られません。ただ、有償設置にしても、脱炭素化に取り組むなら売電収入は発生しません

売電収入を得るには、FIT制度に加入する必要があるのですが、FIT制度を介した場合、再エネでも環境価値がないと判断されてしまうからです。

環境経営を目指している企業様にとっては、PPAで売電収入が発生しないというのは、デメリットにはなりえません。

https://www.tainavi-next.com/library/224/

CO2削減

どちらも同じです。

停電対策

どちらも同じです。

施工リスク

有償設置:ある
PPサービス:なし

太陽光発電を設置する場合、業者選びが重要となってきます。悪徳業者に依頼すれば、粗悪な取り付け工事となってしまい、のちに問題が生じる危険性があります。

しかし、PPAサービスではその可能性は非常に低いです。なぜかといいますと、PPAサービスの場合は設置して終わりではなく、事業者側が継続して利益を出す必要があるからです。

そのため、極端に低品質な手抜き工事をするとは考えられません。

また、設置するソーラーパネルなどの機材に関しても、一定の品質が保たれていると期待できます。施工リスク同様、結局は事業者側が利益を出す必要があるため、低品質な発電設備を導入すれば、事業者側の利益減となるからです。

第三者所有モデルという独自の仕組みとなっているPPAですが、設置先と事業者、双方の利益を追い求めるサービスであるため、品質に関しては有償設置より信頼性が高いでしょう。

https://www.tainavi-next.com/library/253/

PPAサービスも複数社を比較しよう

有償設置とPPAサービス、どちらを利用するにしても複数社を比較するのが重要です。一口にPPAサービスといっても、電気料金の単価は事業者ごとに大きく異なります

契約期間が10~20年と長期間におよび、企業ごとに契約事情もびみょうに異なるため、1社だけで判断するのは不適切です。

法人の電力コスト削減サイトのスイッチビズでは、法人向けPPAサービスの一括見積もりに対応しています。無料で各社の見積もりを専門のコンサルタントが分析し、ご提案します。

また、当社では有償設置の一括見積もりに対応しています。有償設置をご希望のかた、両者の見積もりを比較したいかたは、ぜひお気軽にお問い合わせください。