産業用太陽光発電の収益性は?
今まで産業用太陽光発電は、発電電力の買取制度上の問題もあり、CSRを中心とした企業イメージの向上といった目的で導入されて「収益の最大化」という視点から関心を集めることはありませんでした。
しかし、2012年に高単価での全量買取制度がスタートすることによって「安定的収益事業」として注目を集めることになりました。
そして、2024年も全国的な電気料金高騰問題により「自家消費・コスト削減目的」として再び注目を集めており、国からも大規模な補助金がでるなど導入する法人が圧倒的に増えております。
ここでは、リスクの少ない安定ビジネスの中で「収益の最大化」や「電気料金の最小化」に向けてどんな取り組みが可能か、その視点について考えていきたいと思います。
1.高効率システムを「より安く」選定する ・・・イニシャルコストを安くする
何と言っても「長期的に高い発電量を安定的に生み出す」高効率のシステムを「より安く」選定することが、まず第一に挙げられます。
主要構成機器に関して具体的に見てみると、
① モジュールの選定
発電効率の高いものを選定することが設置面積を抑え、架台設置(基礎工事含む)費用の抑制にもつながります
② パワコンの選定
モジュールとの相性・立ち上がりスピード・冷却システムなど変換効率以外にもさまざまな条件を考慮することが必要になります
③ 架台の選定
屋上設置・地上設置とも従来のコンクリート基礎型よりも工期短縮が可能なさまざまな工法が生まれてきており、架台設置費用が初期投資に大きな影響を与えるようになってきました。複数案の比較が非常に重要になります。
③ 蓄電池の選定
蓄電池の選定は、使用中の電気使用量や設置予定の太陽光パネルの容量により費用対効果が大きく異なります。特に日本製蓄電池については国からの補助金が出るなど、電気の基本契約容量を下げるピークカット目的だけでなく、自家消費率を高める為に、様々な蓄電池容量を比較する事が必要です。
このように多様な選択肢の中から選定を行っていく上で、導入実績が豊富で各社機器に関して精通しているエキスパートからの情報を上手に活用することが大切です。
2.確実な保守メンテナンスでロスをなくす ・・・ ランニングコスト
一日あたりの発電量が多く高い電気代収入が見込める産業用システムでは、いかに発電ロスを減らし確実に売電につなげることができるかが重要なポイントになります。
そのため、一般住宅用システムのようなメンテナンスフリーという発想を捨て、確実な発電監視・保守管理を行うことが重要になってきます。
1のシステム機器構成に関する提案と同時に、運転開始後の保守メンテナンス体制に関する提案も受け、ランニングコストとして収支計画に反映させることが大切です。
また、その際には複数メーカー機器によるシステム構成の保守に対応が可能な第三者保守サービス会社であるかどうかも見極める必要があります。
発電データを通信によりモニタリングしながら異常を早期発見し、モジュール面の汚れ・損傷、配線断線など原因究明を行い、速やかに正常な発電体制に戻すことができるか否かが保守体制の重要ポイントとなり、機器の測定チェック・目視点検・洗浄作業などを適切なタイミングで行っていくためのノウハウも求められてきます。
1のイニシャルコスト、2のランニングコストと発電予測に基づく売電収入予測に基づく収支シュミレーションを比較検討し、導入会社を選択していくことが「収益の最大化」の重要なポイントになるということをご理解いただいた上で、多くの導入実績を誇る各社へまずはご相談されてみてはいかがでしょうか?