グリーンボンドという、環境問題に対応した債権が話題を集めており、市場規模も増加傾向にあります。
この記事では、グリーンボンドの概要をわかりやすく解説。発行する側、投資する側の両面から、メリット・デメリットをお話します。
グリーンボンドとは?
グリーンボンドとは債権の一種です。年々市場が伸びており、日本の企業や投資家も注目しています。
発行するのは、企業や地方自治体で、集めた資金は環境活動などのグリーンプロジェクト(環境改善活動)に使われます。
具体例として、羽田空港がグリーンボンドを発行し、空港敷地内に設置するメガソーラーの設置費用に充てています。
また、海外の太陽光発電メーカーであるカナディアン・ソーラーも、グリーンボンドを利用しています。
グリーンボンド3つの特徴
- グリーンボンドは資金の使いみちが限定されている
- 集めた資金は追跡・管理される
- 発行側は使いみちなどが報告されており、透明性が高い
グリーンボンドとESG投資
グリーンボンドで抑えておきたいのがESG投資という概念です。ESG投資とは環境や社会、ガバナンスの観点から、企業などに投資するかを判断するものです。
当然グリーンボンドも、ESG投資家たちから注目されているため、今後の動向が見逃せません。
グリーンボンドのメリット
グリーンボンドのメリットを、発行側と投資側の両視点から解説します。
発行側のメリット
- 社会的な支持を集められる
脱炭素化が叫ばれている現在。環境問題に目を向けるかたも少なくありません。そういったかたの支持を集められれば、企業や自治体のイメージアップに繋がります。 - 環境問題に熱心な投資家からの支持が上がる
ESG投資という言葉があるとおり、環境問題に注目する投資家が増えています。グリーンボンドを発行することで、そういった投資家からの支持を獲得、新たなコネクションの構築も期待できます。
投資する側のメリット
- 社会的な支持につながる
発行する側だけでなく、投資する側もグリーンボンドに資金提供することで、自身のイメージアップに繋がります。 - リスクヘッジができる
グリーンボンドは株式や伝統的資産との連動性が少ないとされている、オルタナティブ投資の面を持ちます。分散投資によるリスクヘッジが期待できます。
グリーンボンドのデメリット
グリーンボンドのデメリットを、発行側と投資側の両視点から解説します。
発行側のデメリット
- 集めた資金はグリーンプロジェクトにしか利用できない
当たり前のことですが、よく注意すべきポイントです。グリーンボンドは透明性が高く、資金の使いみちなどはしっかりと確認されるため、本当にグリーンプロジェクトを運用したいときに発行しましょう。 - グリーンボンド発行に手数料がかかる
グリーンボンドは外部から評価が下されるという特殊な債権であるため、外部を通すときに手数料が発生します。
また、集めた資金の使いみちや管理などを別途報告する必要があるため、報告の労力などが発生することも覚えておきましょう。
投資する側のデメリット
投資する側が注意したいのが、グリーンウォッシュ債権と呼ばれるものです。グリーンウォッシュ債権とは、以下の2つのようなケースが当てはまります。
- 本当は環境改善効果がないにもかかわらず、グリーンボンドと称して債権を発行する
- グリーンプロジェクトに資金提供しないなど、集めた資金の使いみちが不適切な場合
この後紹介しますが、グリーンボンドはガイドラインで定められています。ただ、あくまでも自主的なものです。
本当に適切なグリーンボンドなのか、投資家ご自身が判断して、投資する必要性があります。
グリーンボンドの種類
グリーンボンドを発行する側、投資する側のどちらにしても、どういったものがグリーンボンドにあたるのか、グリーンボンドの定義や種類を抑えておく必要があります。
グリーンボンドは大きく分けて、4つの種類に分かれています。
- 標準的なグリーンボンド(Green Use of Proceeds Bond)
最も一般的なグリーンボンドです。特定の財源などの縛りがなく、発行体全体のキャッシュフローを原資として債務を返済します。 - グリーンプロジェクト債(Green Use of Proceeds Project Bond)
1つないし複数のグリーンプロジェクトの設備・運営など資金の使いみちを定め、該当する事業収益のみを原資として返済するものです。 - グリーン証券化債(Green Use of Proceeds Securitized Bond)
グリーンプロジェクトに関連する複数の資産を担保として、担保にした資産のキャッシュフローを原資として、返済を行う債権です。グリーンプロジェクトに関連した資産には、太陽光パネルや省エネ設備などが挙げられます。
- グリーンレベニュー債(Green Use of Proceeds Revenue Bond)
公的なプロジェクトや公共施設に関するグリーンボンドです。上記で発生したキャッシュフローや利用料、特別税などを原資として返却を行います。具体的には排水処理事業や、廃棄物処理事業が該当します。
グリーンボンド原則(GBP)って?
グリーンボンドの種類と同じく、抑えておきたいのがグリーンボンド原則(GBP)です。グリーンボンドに投資するデメリットでも触れましたが、グリーンボンドは定義が法律などでしっかりと定義されていません。
あくまでも自治体や企業など、発行する側の自己申告です。表面上は環境改善につながる事業でも、実際にはそうでなければ意味がありません。
ですので、グリーンボンド原則というガイドラインが用意されており、発行する側はグリーンボンド原則に沿って発行するよう要求されます。
具体的な要求は以下のとおりです。
- グリーンプロジェクトの対象となる区分を示す
- プロジェクトの評価と選定のプロセス
- 集めた資金の管理(透明性の確保)
- 集めた資金のレポーティング
それでも、自己申告であることには変わりないため、投資家のかたは慎重に判断する必要があります。
グリーンボンドは今後どうなる?
脱炭素化やSDGsの観点から、グリーンボンドは今後も注目を集めることが予想されます。
グリーンボンドの発行額は年々伸びており、今後も着実に伸びていくことが推測されます。最近では三菱重工が150億円ものグリーンボンドを発行すると発表しました。
世界全体だけではなく、日本でもグリーンボンド市場がにぎわうと予想されます。
脱炭素化なら太陽光発電も要チェック
グリーンボンドと同じく、環境改善につながる太陽光発電も注目です。太陽光発電を設置、電気を自家消費することで、企業のCO2排出量を削減できます。
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