停電のリスクや脱炭素化などの理由から、産業用の太陽光発電を導入したいと考える企業様も多いことでしょう。しかし、太陽光発電を導入する上で気になるのが設置費用です。0円で設置する方法はないのかといいますと、実はあります!
この記事では太陽光発電を無料で設置できる0円ソーラーの仕組みや、メリット・デメリットを解説。初期費用などを抑えたい企業様は、ぜひご一読ください。
屋根貸し
その名の通り、太陽光発電の設置業者などに屋根を貸すことで、太陽光発電を無料設置する方法です。
大きな工場や公共施設、倉庫などの屋根が対象。設置する発電設備は、10kW以上と産業用のものが一般的です。大型マンションなら、最低でも1500㎡以上の設置面積が求められます。
屋根貸しのメリット
- 初期費用、メンテナンス費用は発生しない
- 少額だが、定期的な賃料が発生する
初期費用だけでなく、太陽光発電を運用する中で発生してしまう他の費用も業者負担。屋根の使用料も毎月もらえるため、無料で運用できます。
注意点としては、ソーラーパネルが発電した電気は業者のものとなるため、以下のようなデメリットもあります。
屋根貸しのデメリット
- 屋根の利用料は非常に少額
- 電気を売ることで発生する売電収入は発生しない
- 太陽光発電で発電した電気を使える(自家消費)できるかは契約しだい
- 契約は10年間など長期間。また途中解約は違約金が発生するリスクもある
- 契約終了後に所有権が自分に移らないケースが多い
また、屋根貸しは出費が少ない分、リターンである賃料も少額とされています。具体的な相場は、年間1㎡あたり100~300円。仮に50㎡の屋根をお持ちの方が貸した場合、年間賃料は5,000円~15,000円。
屋根の面積しだいでは賃料も増加しますが、やはり少額であることは否めません。
ソーラーPPA
ソーラーPPAとは、屋根貸しと仕組みは似ていますが「電力購入契約」のことを指します。PPAは屋根貸しの利用料が発生しない代わりに、契約が満了すれば太陽光発電が譲渡されます。
また、発電した電力を設置者(家庭・施設)が扱えるのも大きなメリットです。
ソーラーPPAのメリット
- 初期費用や契約期間内のメンテナンス費用が0円
- 契約期間中は停電のときに電気を使える
- 契約終了後は0円で太陽光発電を手に入れられる
- RE100やSDGsに対応している
ソーラーPPAのデメリット
- 売電収入は業者のものとなる
- 業者が電気料金を決められるため、契約中の電気料金が高くなる可能性がある
- 契約は10年間など長期間。また途中解約は違約金が発生するリスクもある
電気料金は業者が設定するため、通常より高額になる恐れがありますが、逆に安くなるケースもあります。
どちらにしても、太陽光で発電した電気を使うことで、SDGSやRE100などの目標達成にも繋がるため、条件付き企業が導入する価値は十分にあるでしょう。
ソーラーローン
太陽光発電には「ソーラーローン」という専用のローンが用意されています。ローンという形式のため、毎月の返済が求められますが、発電した電気が自分のものになるという魅力があります。
ソーラーローンのメリット
- ローンを組めるため、初期費用は0円
- 発電した電気の所有権は自分にある
- 発電した分は無料で使用できるため、月々の電気代の節約や売電収入が見込める
- 自家消費した場合はRE100やSDGsに取り組める
ソーラーローンのデメリット
- 金利がある
- 屋根貸しやソーラーPPAと異なり、毎月ローンを返済しなければならない
- メンテナンス費用を負担する必要がある
ソーラーローンは銀行・政策金融公庫・信販会社だけでなく、太陽光発電の業者が用意しているケースもあります。
ここでは一例として「LooopのMY自家消費セット」を紹介します。
LooopのMY自家消費セットとは?
初期費用0円で太陽光発電を導入できるプランです。
LooopのMY自家消費セットなら、初期費用0円に加えて、毎月の収支が黒字になるとされています。なぜ黒字にできるのかというと、3つのお得が得られるからです。
- 売電収入
- 太陽光発電を導入することによる電気代の削減
- Looopでんきの割引適用(新電力であるLooopが提供している電気料金プラン)
上記①~③の恩恵を受けることで、毎月の返済額を上回る収益が得られるという仕組みです。
85㎡以上の屋根・屋上があれば設置でき、蓄電池やメンテナンスもオプションとして付けられます。これから脱炭素施策や自家消費用太陽光発電を始める人にも安心の商品となっています。
0円ソーラーと自分で設置するのどっちがお得?
ここまで太陽光発電を0円で設置できる方法を紹介してきましたが、やはり気になるのが正規の方法。自分で業者に依頼して、一括で費用を支払った場合との比較です。
0円で設置できる太陽光発電に裏はないのか?
タダよりも怖いものはないと言いますし、やはり0円設置のデメリットや注意すべき点が気になるかと思います。
これまでに紹介した方法の代表的なデメリットや注意すべき点は以下のとおりです。
屋根貸し | 契約が終了しても、太陽光発電の所有権が自分に移らない |
---|---|
ソーラーPPA | 売電収入は業者のもの。発電した分の電気料金も業者が設定する |
ソーラーローン | 金利やローンの返済がある |
やはり0円で設置できるため、相応のデメリットはあります。特に屋根貸しは上記3つの中で最も費用はかかりませんが、逆に受け取れるメリットも少ないため、その点を留意する必要があります。
その他注意すべき点としては、やはり契約書の内容や取引をする業者です。契約前にしっかりと吟味しましょう。
一番利益が高いのは?
電気代の削減 | 売電収入 | 費用面 | |
---|---|---|---|
屋根貸し | ✕(業者のもの) | ✕(業者のもの) | 初期費用0円+賃料あり メンテナンス費もなし |
ソーラーPPA | ▲(業者に電気代を支払う) | ✕(業者のもの) | 初期費用0円 メンテナンス費もなし |
ソーラーローン | ◯(自家消費) | ◯ | 初期費用なし ローン返済+金利 メンテナンス費あり |
自分で購入 | ◯(自家消費/余剰売電) | ◯ | 初期費用あり メンテナンス費あり |
やはり負担する金額に応じてリターンも高額となってきます。金利も考慮すると、やはり自分で設置した方がトータルで考えたときの収益性は高いでしょう。
ただ0円で設置できる、初期費用を抑えられるのは非常に魅力的ですので、一概にどの方法が一番ともいえず、ケースバイケースでしょう。
【その他】太陽光発電設備の初期費用を安くする方法
他にも産業用太陽光発電には、0円ないし少額で導入できる方法があります。
リース契約
コピー機の契約などで一般的なリース契約ですが、太陽光発電にも対応しているケースがあります。仕組みとしてはソーラーローンに似ておりますので、詳しくはこちらをご参考ください。
補助金の活用
地方自治体によっっては、産業用太陽光発電に補助金を出しています。補助金は早いものがちですので、お得に活用できるタイミングで申請しましょう。
自分で買うときの業者選び
太陽光発電の設置費用は年々下落しており、以前よりも安く高性能な機材が増えています。ただ注意点として、「施工ID」という資格のようなものが存在するため、自身で調達した資材を施工店が正しく扱えない可能性もあります。
資材調達の中間マージンを削るよりも、しっかりとした施工店に依頼して見積もりを取ったほうが長期的な手間も保証も安定するでしょう。
安く設置してくれる業者を探す方法
産業用の太陽光発電を設置する場合、業者選びが非常に重要です。太陽光パネルはメーカーによって発電性能や価格が大きく異なるため、複数社から見積もりをとることが重要です。
当サイト「タイナビNEXT」は産業用太陽光発電の一括見積りに対応し、厳選された地元の優良企業5社が見積もりを提示します。少しでも安く太陽光発電を導入したい企業様は、ぜひタイナビNEXTをご利用ください。
よく読まれている記事
太陽光発電はBCP対策に使えるか? 自家発電システムをもつべき理由
太陽光パネルにはどんな種類がある?素材や形状の特徴
【2023年】法人向け自家消費型太陽光発電の補助金情報は?産業用は税制優遇も可
太陽光発電の土地の広さと規模は?発電量の目安や設置面積の考え方を解説!
使わなくなった農地を有効利用!太陽光発電に転用するためのメリットや注意点
10kW以上太陽光発電「50kWの壁」で変わる手続きと管理コスト