倉庫の省エネ

昨今、企業でも再生可能エネルギーへの注目や発電設備の導入が増えている。

なかでも太陽光発電は、電気料金の高騰や、発電設備の導入コストの低下、災害時の備えとして注目されている。会社の倉庫の屋根を利用して太陽光発電設備を導入することで、税制優遇のメリットがあり、導入には補助金を受けられるケースもあるのだ。

この記事では、その背景や実際のメリットなどの詳細について解説する。

企業の太陽光発電の導入が増えている背景

近年、太陽光発電を導入する企業が増えているが、なぜ増えているのだろうか。導入の背景について太陽光発電を利用する利点を踏まえながら解説する。

電気料金の高騰

電力広域的運営推進機関によると、今後、産業用の電力需要は9年間で約100万kW増加するといわている。2019年で34億222万kWだったものが、2028年には34億342万kWまで増加する見通しだ。

原子力発電所の再稼働は極めて厳しい状況で、再生可能エネルギーでも電力を充分に補うことは難しい。そのため、需要が増加する部分の電力については火力発電でまかなうことになるだろう。

しかし、火力発電に使用される燃料は輸入コストの影響を受けるため、電気料金そのものが高騰することになる。

太陽光発電の導入コストの減少

コストダウン

かつては高額だった太陽光発電システムの導入コストが、年々下がってきている。

化石燃料から再生可能エネルギーへの転換の流れを受けて、日本でも国を挙げて太陽光発電の普及が促進されているからである。さらに、各国のメーカーの技術の向上なども低価格化が進んだ要因となっている。

2011年の太陽光発電システムの平均的な価格は1kWあたり52万円だったが、2019年には半額以下にまで下がっている。

例えば500kWの太陽光発電システムの場合、その本体価格は2011年で2600万円だったものが、2019年では700~800万円と半分以下で導入できるようになったのだ。

再エネ電源を目指す企業の増加

再生可能エネルギーの主力電源化を目指す企業も増加し、「RE100」という環境プロジェクトに加盟する大企業が増えている。その影響は、仕入れ先である中小企業にも及んでいるのだ。

今後、RE100に加盟している大企業が、再エネ電源を目指す会社を取引先として選択することが一般的になるだろう。そのため、中小企業にとっては、太陽光発電の導入による再エネ電源化に力を入れることで取引のチャンスが拡がることになる。

災害時の備え

近年、地球温暖化による気候変動などの要因から、各地で台風や地震などの自然災害が多発している。それに伴って災害時に電力供給がストップする事態が増え、中には何日も電気が使えない生活を強いられるような状況も起きた。

そのため、企業でも不測の事態に備えて、停電への対策をとることが求められている。太陽光発電を導入することで、災害などの緊急時にも太陽光で得た電力が使えるのだ。

倉庫に太陽光発電を設置するメリット・デメリット

この項では、会社の倉庫に太陽光発電システムを導入するメリットとデメリットについて紹介する。

スペースを有効活用できるうえ遮熱効果がある

倉庫に太陽光発電を導入するメリットとして、まず、倉庫の屋根のデッドスペース部分に太陽光発電システムを設置することで、スペースの有効活用となる。その上、会社の再エネ電源化が可能になり、毎月のランニングコストである電気料金を引き下げることができる。

また、太陽光発電を屋根に設置することで遮熱効果が上がるため、倉庫内は「夏は涼しく、冬は暖かい」状態を保つことができる。そのため、電気の使用量を抑えることが可能だ。

つまり、空きスペースを利用して、再エネ電源として電力を発電しながら、遮熱効果によって電力使用も抑えることができる。発電と節電、一石二鳥のメリットが得られるのだ。

太陽光発電の設置には初期費用がかかる

倉庫に太陽光発電を設置するデメリットとして、初期費用がかかることが挙げられる。

前述したように、太陽光発電システムの本体価格は安くなっている。しかし、本体価格のほかに工事費など、まとまった費用がかかるのだ。太陽光パネルの重量によって、建物に負荷がかかるため、耐えられる倉庫でなければ設置することができない。

ただし、次項で説明する税金面の優遇措置や、補助金などもあるため、デメリットである初期費用は下げることが可能だ。

太陽光発電で得られる優遇措置

この項では、太陽光発電の設置で利用できる税制優遇や補助金について詳しく解説する。

税制優遇で固定資産税

税制優遇について下記表に解説する。

(2019年12月時点)

名称対象の税金軽減率期間
再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置償却資産税対象標準額2/3に軽減
自家消費が対象
3年
中小企業等経営強化法に基づく税制措置
(固定資産税の特例)
固定資産税1/2に軽減
自家消費が対象
3年
中小企業等経営強化法に基づく税制措置法人税全額即時償却、あるいは税額控除
原則、自家消費が対象(余剰売電も可能なケースがある)
3年
生産性向上特別措置法案に基づく特例措置固定資産税0~1/2に軽減3年

補助金でかかる経費の半分をカバーできる

再生可能エネルギー

いわゆる化石燃料を使用した発電方法から、持続可能な再生可能エネルギーへの転換は、世界的な課題となっている。もちろん日本でも国を挙げて推進しており、なかでも太陽光発電に関しては、国からと、地方自治体からの補助金がある。

国からの補助金は「二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金」があり、予算が50億円投入されている。(2019年度)ただし自家消費が対象だ。

地方自治体からの補助金は地域によって異なる。

東京都の場合「地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業」として、補助対象の経費2/3以内、上限1億円を補助金として受けられる。ただし、こちらも自家消費が対象だ。(2019年5月時点)

太陽光発電を設置して倉庫の屋根を有効活用しよう

太陽光発電を導入している企業も増えており、倉庫の屋根に設置するとスペースの有効活用になるなどのメリットがある。また、税制優遇を受けられたり、太陽光発電設置の初期費用について補助金を利用したりすることも可能である。

そのほかに太陽光発電の導入コストを下げるには、複数社の10kW以上の太陽光発電が無料一括見積もりできるタイナビNEXTを利用するのがおすすめだ。