企業の電気代削減方法

企業が所有する製造工場は、一般的なオフィスや設備より電気代が高くなりやすい。製造工場は面積が広いうえ、照明機器や製造機械などを常に稼働させる必要があるからだ。生産ラインを止めずに電気代をカットできれば、企業活動において大きな効果が見込める。

しかし、電気代をカットする方法で悩む企業も少なくない。節電対策をするなら工場における電気代の仕組みを理解し、電力削減のポイントを押さえることが重要だ。

今回は電気代削減に繋がる電気代の仕組み、考え方、省エネ対策などついてじっくり説明する。

電力コスト削減のために電気代の仕組みを知ろう

工場の電気代を削減するなら、高圧電力の電気代の仕組みや構成を理解しておこう。工場で利用する電力量は大きく、50kW以上の高圧電力で契約するのが一般的だ。

電気代は基本料金と電力量料金の2つに、消費税や再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されて決まる。このうち対策可能なのは基本料金と電力量料金だ。

基本料金は「料金の仕組み」を理解すれば少ない苦労で削減できる可能性が高く、電力量料金も省エネ設備を導入する事で削減することが可能だ。

それでは、仕組みの理解で基本料金を削減する方法と、省エネで電気量料金を削減する具体的な方法を解説していこう。

基本料金を安くする方法①「デマンド値を下げる」

企業の電気代デマンド値

高圧電力の電気代には、デマンド値が大きく関係している。高圧電力プランのデマンド料金制は、デマンド値によって基本料金が決まるためだ。

デマンド値(30分デマンド値)とは、電気使用量の計測時に記録された、30分ごとの平均電力量のことである。基本料金は当月と過去11カ月間で、最も高い30分デマンド値が基準になる。一度、基本料金が上がってしまうと1年間は下がらない。

電気をたった30分使いすぎただけで、30分デマンド値は上がってしまう。以後、11カ月は高い電気代を負担しなければならない。電気の基本料金を下げるには、30分デマンド値の上昇を食い止めることが不可欠
である。

デマンド値を抑えるには「設備や機器をインバータ化」も有効

デマンド値を効果的に下げるもう1つの方法は、設備や機器のインバータ化だ。電力のロスを抑制すれば省エネにつながり、デマンド値も下げることができる。

インバータとは電力変換装置のことで、負荷に合わせてモーター回転速度を変えられる。電気の周波数や電圧を自由に調節できるのが特徴だ。

インバータ化しておけば、負荷が変わっても設備や機器の出力調整が可能だ。必要最低限の電力で機械を動かせるため、電力ロスの抑制、つまり省エネにつながる。

設備や機器をインバータ化せずにいると、負荷に合わせた稼働調整ができないため、定格運転か停止いずれかの稼働となる。

消費電力の無駄がなくなれば、デマンド値の抑制にも期待できるだろう。

基本料金を安くする方法②「力率改善で割引率を上げる」

力率改善

力率とは、有効に使える電力の割合のことだ。送電された電気は、すべて使えるわけではない。電気は機械を動かす際に一定量消費される。(これを皮相電力という)。

力率は送電された電気のうち、実際に消費した電力量の割合を示した数値だ(実際に消費した電力は有効電力という)。力率割引は、電気代の基本料金割引に適用される。高圧・特別高圧の力率の基本は85%で、これを上回る1%につき基本料金は1%割引、下回る1%につき基本料金を1%割増する決まりだ。

力率による年間の基本料金を差は以下のようになる。
※契約電力100kW/月、基本料金単価1782円(東京電力高圧電力を参考)の場合

力率割引・割増係数基本料金/年
100%0.85181万7640円
90%0.95203万1480円
85%1.00213万8400円
80%1.05224万5320円

力率100%と割引がない85%でも、年間で約32万円の差額になる。電力消費の多い工場では、力率による影響が大きいといえるだろう。

力率改善とは、無効電力を減らして電力を有効利用することだ。これには、コンデンサの設置が有効である。電気主任技術者に相談してみるのも良いだろう。

電力量料金を安くする方法①「省エネ化」

企業の省エネ化

電気代を安くするには、電気の消費量を減らすことも重要だ。使用時間が長い照明をLEDに変えるほか、太陽光発電による自家発電で電力会社から電気を買わずに済ませる方法もある。

照明をLEDに変えれば電気の使用量が減る

面積の広い工場では、照明の電気代が意外と高くなる。最大デマンドを下げるには、長寿命で省エネのLEDを利用すると良い。

水銀灯とLEDの一般的な消費電力および電気代を比較してみよう。

水銀灯の場合、消費電力は400W、1時間あたりの消費電力は0.4kW、1時間あたりの電気代は8円(20円/1kWhあたり)だ。

一方、LEDの消費電力は130W、1時間あたりの消費電力は0.13kW、1時間あたりの電気代は3円である。

1000個の水銀灯を設置している工場の場合、1時間あたりの電気代は8000円程度だ。これをLEDに変えると3000円になり、5000円ほど安くなる。

1日の稼働時間が8時間だとすれば、1日あたり約4万円も変わってくるのだ。工場の設備を省エネ設備に変えると、補助金が利用できる。LEDもその対象で、補助対象設備購入額の3分の1を補助金でまかなえる。

事業の省エネ化に補助金が使える! 2019年の支援策と補助内容の事例

太陽光発電の自家消費が企業に与えるメリット

オフィスや工場の電気代を大幅削減するには、太陽光発電による自家消費がおすすめだ。企業における太陽光発電の自家消費は、節電以外にも大きなメリットがある。

電気代を削減できる

電気代は年々上がり続けている。太陽光発電の自家消費なら、オフィスや工場で消費する電気のすべてを購入する必要がなくなる。電気代高騰の影響も受けずに済む。むしろ電気代が上がれば上がるほどメリットは大きくなる。

また、太陽光発電パネルを工場の屋根に設置すれば、直射日光が屋根に当たらなくなる事でオフィスや工場の室温上昇を防げる。空調代を抑える事に繋がるため、さらなる電気代削減になる。

電気代の削減以外にもメリットがある

太陽光発電の導入によって、企業価値の向上が可能だ。CO2削減に取り組む企業として、環境問題への貢献をアピールできる。自然災害による緊急事態でも、しっかり対応できるだろう。

ライフラインが停止しても太陽光発電システムがあれば、停電時の予備電源として電気が利用できる。自社が被災しても電力利用が可能なら、早期復旧も見込めるだろう。BCP(事業継続計画)の対策としてもおすすめだ。

企業の災害対策は備えが大切!手をつけるべきこととは?

電気代の仕組みを理解し対策をすれば企業の電気代削減は実現できる!

オフィスや工場など、企業の省エネ対策はデマンド値の抑制が鍵になる。照明や空調機器の見直し、設備のインバータ化などが具体的な対策方法だ。さらなる省エネを狙うなら、太陽光発電システムの導入がおすすめである。

企業価値の向上や非常電源としての利用ができ、自社にとっても大きなメリットになるだろう。タイナビNEXTの無料一括見積もりなら、導入時のコストも下げられる。ぜひ、導入を検討してみてはどうだろうか。