中部電力初期費用0円太陽光発電

中部電力が2019年2月より開始した、「初期費用0円で太陽光発電を導入できる」事業者向けサービス。容量が100kWを超える産業用太陽光発電は、数千万円にも及ぶ費用がかかるものだ。これが0円で可能になれば、再エネ発電の資金面のハードルを解決できる。

中部電力が提供する実質0円の自家消費用太陽光発電サービスの詳細と、メリット・デメリットを見ていこう。

中部電力の初期費用0円サービスとは

中部電力による、初期費用0円の自家消費用太陽光発電。このサービスの仕組みを知るために、設置や施工、メンテナンスの内容について紹介しよう。

発電システムの設置・メンテナンスコストを中部電力が負担

初期費用0円サービスの大きな特徴は、発電システムの設置やメンテナンスにかかる費用をすべて中部電力が負担することだ。

100kWの産業用太陽光発電を設置する費用は約2000万~3000万円、メンテナンス費用は年間100万~200万円かかるといわれている。

ユーザーは設備投資や保守にお金をかけることなく、自家消費用の太陽光発電を利用できる。中部電力はユーザーの店舗や工場などの屋根を利用して、太陽光発電の設置と運営を行う。

発電システムは中部電力が保有し、施工とメンテナンスは提携先のLooop(ループ)が担当する。設置後、ユーザーは太陽光発電で生じた電力の自家消費ができる。災害時や停電時には非常用電源としても使用可能だ。

対価はサービス料金と売電収入

初期費用0円でシステムを導入した店舗や工場では、電気の自家消費が可能だ。発電時にCO2を排出しないことが、企業の付加価値を高めてアピールする力になる。

ただし、自家消費した電気量に応じたサービス料を中部電力に支払うため、電力コストの削減効果はよく検討する必要がある。余剰電力は中部電力が引き取り、売電収入を受け取るのも中部電力だ。

自家消費量に応じたサービス料金の支払いはあるものの、同サービスを利用しない場合よりも節約できる見込みだ。中部電力では、3~5%は電力コストが安くなるとしている。

中部電力の太陽光発電0円サービスでメリットを得る条件

初期費用0円サービスのメリットを得やすいのは、日中の電力消費量が多く、太陽光パネルを設置できる屋根面積が大きい事業者だ。

特に電力消費量が多くなりやすいのは、年中無休で営業している店舗や、生産ラインを常に稼働させている工場だ。電気を自家消費できれば、電気料金を大きく削減できるだろう。

設置容量の目安は出力100kW以上。100kW以上の太陽光発電を設置するには700平米以上の屋根面積が必要である。たとえば、郊外にある大型スーパーや飲食店、工場などは、同サービスのメリットを受けられる可能性が高い。

初期費用0円の太陽光発電で考えられるデメリット

中部電力0円サービスデメリット

中部電力の初期費用0円サービスには、「PPA(ピーピーエー)モデル」との共通点が多い。PPAとは「発電者と電力消費者の間で締結する電力販売契約」のことだ。

  • ユーザーは設備費用0円で建屋の屋根や敷地に太陽光発電を設置できる
  • ユーザーは太陽光発電の電力を使えるが、利用料金や電気代を支払う
  • 維持管理費用は事業者が負担する

中部電力の初期費用0円太陽光発電でも該当する可能性がある、PPAモデルのサービス利用のデメリットをチェックしていこう。

契約期間や解約金が存在する可能性がある

契約期間の途中で解約をすると、大きな出費が生じる可能性がある。

多くのサービスでは契約期間が決まっており、途中解約によって違約金や設備の買い取りを要求される恐れがある。

たとえば、LooopのMY自家消費セットは、初期費用0円で太陽光発電システムを設置できるサービスだ。支払いは最長15年まで分割できるが、残金をすべて支払わなければ解約できない。

あるいは解約時に清算金として多額な支出が生じるケースもあり、契約前に十分なチェックが不可欠だ。

売電収入を得られない

契約内容によっては、ユーザーが売電収入を受け取れない。

PPAモデルの場合、太陽光発電システムはユーザーの施設や敷地に設置されるものの、発電設備の所有者は設置事業者だ。設置事業者が負担した設備費用は、売電収入から回収される。ユーザーが売電による収益を得ることはない。

もっとも、中部電力の初期費用0円太陽光発電は、自家消費を目的としたサービスだ。ユーザーが売電によって利益を得ることは想定していない。

こういった契約形態だと、契約期間やローンの支払いが終われば発電設備が無償譲渡されるのが一般的だ。その後の売電収入はすべてユーザーのものになる。

ただし、契約期間が終わる頃には、固定価格買取制度の適用期限を過ぎるかもしれない。再エネ電力の需要増を背景に、やや値下がりしつつも売電は継続できる可能性は高いといえる。

条件によって導入できない場合もある

初期費用0円サービスを提供している事業者は、サービス導入にあたり審査を設けているケースが多い。

発電量のシミュレーションや建物の築年数、設置面積など、利用条件は多岐に渡る。太陽光発電の設置を望むユーザーと、初期費用を売電収入で回収することを目的とする事業者では、太陽光発電における損得の判断基準が異なるのだ。

初期費用0円サービスが使えないケースはどうする?

中部電力の初期費用0円サービスには、複数のメリットがある。設置費用がかからず、普段の電気料金を節約できる点は大きなメリットだ。

反面、デメリットも存在する。サービスのメリットを得るには、複数の条件をクリアする必要もある。条件的にサービスの利用が見込めない事業者には、タイナビNEXTの一括見積もりサービスがおすすめだ。

複数業者の見積もりを比較すれば、初期費用をおさえながら自家消費用太陽光発電のメリットを得られるだろう。