これまでは、産業用太陽光発電といえば売電というイメージがあった。しかし、これから設置するものに関しては、売電よりも自家消費するほうが大きいメリットが得られる時代になったのである。

電気料金の削減や補助金の活用で、初期投資は早期回収できるのだ。

産業用太陽光発電の自家消費が得する理由

近年の電気料金値上げや売電価格の下落、電力会社による出力制御などの影響で、産業用太陽光発電を売電よりも自家消費で活用する傾向が高まっている。

実際の売電価格と比較した時に、自家消費にはどのようなメリットがあるのだろうか。

売電価格の下落がメリットになる逆転劇

売電価格の推移を見ると、10kW以上500kW未満の産業用太陽光発電の売電価格は年々下がり続けている。さらに、2019年度は14円/kWhになる見込みで、2020年には12円/kWh程度に下がるのではないかという予想だ。

そうなれば、2012年度の売電価格40円/kWhから、28円/kWhも下がることになるだろう。一方で、産業用太陽光発電は売電価格に目が向きがちであるが、電気料金が変動し続けている点にも大いに注目したい。

たとえば、東京電力の2019年3月時点での電気料金は、低圧で夏季が17.16円/kWh、そのほかの季節が15.51円/kWhとなっている。契約電力500kW以上の高圧電力の場合、ピーク時間帯の電気料金は20.15円/kWhだ。

今後も売電価格は下がる可能性が高いため、値上がりを続けている電気代を自家消費でまかなう方が、売電収入よりも得になることは間違いない。

自家消費用は電気料金削減+補助金のWメリットが大きい

自家消費用太陽光発電のお得さ

売電収入が今後減る可能性があるならば、太陽光発電にメリットが得られる方法を検討すべきだ。自家消費では、電気料金の削減や補助金の活用により、初期投資を早期に回収することが可能になるだろう。

ピーク時の電気使用量を抑える、補助金を受け取るなどの具体的な方法を紹介するので参考にしてほしい。

ピークカットで電気料金削減

太陽光発電の電気を自分で使えば、その分の電気料金はかからない。たとえば、高圧の電気料金単価(買電価格)16.52円は、2019年度売電価格の14円と比べると2.52円高いことが分かる。売るよりも高い電気代を自家消費で抑えることで、売電に遜色のない経済的なメリットが得られるだろう。

「電力デマンド」は使用電力が最も多い瞬間の数値で、過去1年間のデマンドで月々の基本料金が決まる。デマンドが契約電力を上回ると、次の月からは基本料金が高くなるのだ。さらに、その後1年間は基本料金が下がらないので、ピークカット対策は重要だ。

太陽光発電を自家消費すれば、ピーク時の電力使用量を抑えられ、電気料金の設定が安くなるだろう。

特に、空調の需要が高まる夏には太陽光発電の発電量も増えるので、太陽光発電の電気で自家消費し電気料金を抑える効果は高い。

補助金で初期投資を早期回収できる

太陽光発電で発生した電気を自家消費するメリットは、ほかにもある。自家消費が目的の太陽光発電は、省エネ・再エネ関連の補助金の対象になるのだ。設備の導入費用に補助が出るため、初期投資を早期に回収することができるだろう。

太陽光発電での自家消費で受けられる補助金には、環境省の「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」、中小企業向けの「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」などもある。

地方公共団体においても、地産地消型再生可能エネルギーの拡大を目指すための補助金制度が出ているケースが多い。

太陽光発電設置に必要な初期費用など、経費の3分の1程度の補助金が受けられる可能性もあるのだ。

蓄電池の検討は綿密なシミュレーションから

太陽光発電で得た電気を売電せずに全量を自家消費にあてる場合、活用できずに余らせてしまうことも考えられる。固定価格買取制度(FIT制度)で余剰売電を選べば売ることもできるが、全量自家消費型の太陽光発電では余った電気が無駄になってしまう。

このようなエネルギーロスを減らすために、余った電気を溜めておく蓄電装置を設置する必要がある。その場合には、太陽光発電のほかに別途費用がかかってしまうので、デメリットととらえる向きもあるだろう。

しかし、蓄電池の設置で電気を有効に使うメリットがある点にも目を向けておきたい。太陽光発電と蓄電装置を利用した場合に、全量自家消費のほうがお得なのか、綿密にシミュレーションする必要がある。

こんなスペースが使える! 太陽光発電の導入事例


自家消費型太陽光発電は、企業の省エネ対策として有効なのでおすすめしたい方法である。ひとつ検討しておきたいポイントは、自家消費でまかなえるほどの太陽光発電を設置するには、広いスペースが必要となることだろう。

自家消費型太陽光発電を設置するスペースとして次のような導入方法がある。

屋根の上に太陽光発電を設置して発電

自家消費型の太陽光発電を設置するためには、10kWあたり60平方メートル以上のスペースがあれば良い。規模に応じた設備を設置すれば、空いているスペースとして屋根を有効利用することにつながる。

また、遮熱効果が期待できる点も見逃せない。屋根に設置された太陽光パネルが直射日光をさえぎってくれるので、建物内部の冷房効果が高まり効率的に電力を使うことができる。

電気使用量が多くなる夏の電気代を抑え、ピークカット効果が得られるメリットも大きい。

カーポート型太陽光発電設備で発電

太陽光発電の設備を設置できるスペースが屋根にない場合はカーポート型を検討するといいだろう。広い駐車場があれば、カーポート型太陽光発電で設置スペースを確保する方法があるのだ。

カーポート型太陽光発電を設置すると、雨よけになるうえに遮熱効果も得られる点も強調したい。雨天や炎天下といった天候でも、駐車場が利用しやすくなるという利用者へのメリットもあるのだ。

また、屋根に太陽光発電を設置済みの場合、カーポートに合わせて設置すれば太陽光発電の設置スペースを広げ発電量を増やすことも可能になるだろう。

太陽光発電の自家消費が現代経営のニーズにピッタリ

太陽光発電の売電価格は下落し、ついには電力会社から買う電気の価格と同等になった。これから太陽光発電を設置するなら、売電よりも自家消費に重点をおくことが大切なポイントである。

社会的にも環境への意識の高まりや電気料金の値上がりなどの背景が高まるなか、今後は電力の効率的な使用が推進されていく見込みだ。

太陽光発電の自家消費は、環境への配慮を行っている企業というPRにもなるだろう。採算を取るためには初期費用を抑えるために補助金を活用し、複数企業の見積もりを比べることが必須である。

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