地域活用要件

2020年度のFIT(10kW以上50kW未満)認定に関して、新たに「地域活用要件」が設定されました。この記事では、地域活用要件とはどのようなものか、要件の内容や認定を受ける方法などについて解説します。

うまく地域活用要件に対応しながら低圧太陽光発電で売電する方法を把握していきましょう。

地域活用要件とは?

地域活用要件とは2020年度から新設する太陽光発電のFIT認定条件に設定された要件です。

対象となるのは、「2020年度から新しくFIT認定を受ける」「10kW以上50kW未満の小規模事業用太陽光発電設備」のみです。2019年以前にFIT認定を受けている発電所は、地域活用要件の規制を受けません。

目的は停電時に使える太陽光発電を増やすこと

地域活用要件の目的は、停電した場合に備えて太陽光発電設備を分散し、復旧をスムーズにすることです。遠隔地に設置される太陽光発電では停電時に活用できないと判断されたのでしょう。

これから50kW未満の太陽光発電で全量売電するには

全量売電ができる10kW以上50kW未満の小規模事業用太陽光発電は、投資先として高い人気がありました。しかし、地域活用要件が定められたことによって、今後は全量売電できる小規模事業用太陽光発電が作れなくなります。

この先、小型の太陽光発電で全量売電をするには「2020年以前にFIT認定を受けた太陽光発電」を購入することです。

お手持ちの建物や土地に新しく設置するには、自家消費できる設計にするしかありません。それが難しい場合、土地と太陽光発電設備が一体になった投資用の発電所を購入するという方法しかありません。

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要件は2つ!地域活用要件の内容について

手続き

ここでは、FIT認定を受けるために必要な地域活用要件の主な内容である「自家消費率」と「自立運転機能」の2点について説明します。

自家消費率

2020年4月1日以降に認可を申請する10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電設備については、発電した電力を自家消費したうえで余った電力のみを売電する「余剰売電」が、認定を受けるための条件とされています。このときの自家消費率が30%以上とされています。

自家消費率の認定にあたっては、認定を受ける前に「どの程度の電気を売電せずに自分で消費するか」を示す「自家消費計画」を提出しなければなりません。また、自家消費が可能な設備になっているかをあらわす配線図なども提出することになります。

認定を受けて運転を開始した後であっても、自家消費率30%を下回ることが確認された場合は、認定が取り消される可能性もあります。この点は気をつけましょう。

運転開始後の自家消費率もチェックされる

地域活用要件を満たすと認められてFIT制度適用のもとで運転を開始した後も、自家消費率30%以上を維持しているかどうかが確認されます。

これは、FIT認定を受けて運転開始してから自家消費率を減らし売電量を増やすという手法を防止するためです。

具体的には売電量がチェックされます。売電量に対し、自家消費計画書で想定した自家消費率を実現できない構造と考えられる低圧太陽光発電については、後からFIT認定が取り消される可能性もあります。

認定後も、不用意に設備構成をいじらないよう注意しなければなりません。

自立運転機能

FITが認定される要件として、災害などにより停電した際に、太陽光発電設備で発電した電気を活用できる「自立運転機能」を利用できる設備であることも規定されています。

具体的には、非常時に使えるコンセントBOXや自立運転機能を備えたパワーコンディショナのコンセントを設置することによって、非常時に電力が活用できるようにしなければなりません。

営農型太陽光発電は自立運転機能があれば全量売電ができる

ソーラーシェアリング

2020年以降の低圧太陽光発電設備でも全量売電ができる例外として、10年間の一時転用が認められる場合のソーラーシェアリングがあります。

ソーラーシェアリングは営農型発電設備とも呼ばれ、農業をしながら畑に太陽光発電設備を設置することによって、1つの土地から2種類の収入を得ることです。ソーラーシェアリングの農地転用許可は一般的に3年間限定ですが、下表の条件のいずれかを満たせば、10年間の農地転用許可を得られます。

10年間の農地転用許可を得られる条件

条件1担い手が所有または利用権を設定している農地であり、下部農地営農をする
条件2農用地区域内を含む荒廃農地を活用する
条件3農用地区域以外の第2種農地もしくは第3種農地を利用する

10年間の農地転用が可能になれば、ソーラーシェアリングに課されるFIT認定要件は自立運転機能を搭載したパワーコンディショナやコンセントを設置していることのみです。自家消費要件を満たす必要はないため、全量売電ができます。

変更認定によって地域活用要件の影響を受ける場合も

認定を受けた事業計画を変更する場合は、変更認定申請が必要になります。

2019年以前にFIT認定を受けた低圧太陽光発電設備について売電価格が更新されるような変更が生じた場合は、2020年以降に新設された低圧太陽光発電設備と同様に地域活用要件の影響を受けるケースがあります。

その場合、売電価格は地域活用要件を満たすなら13円/kWh、満たさないなら12円/kWhです。(2020年度に認定を受けた場合)

変更が生じる前に余剰売電をしていた場合、自立運転機能を導入するだけで1円/kWh 高い売電価格(13円/kWh)が適用されます。そのため、変更認定が必要になる場合には地域活用要件の対象とされるかどうか、申請前に確認しましょう。

地域活用要件の認定方法

低圧太陽光発電設備がFIT認定を受けるためには、あらかじめ、自家消費率が30%未満にならないように設定したうえで、自家消費計画を提出する必要があります。くわえて、自家消費できる設備を記載した配線図なども提出しなければなりません。

自家消費計画書を提出させる目的は、少量の電気のみを自家消費して残りを売電する、いわば全量売電に近い状態を防ぐことです。

発電実績の記録として、電気料金の請求書や検針票、発電量の記録を最低でも3年間以上、保管することも義務付けられています。

電気代削減が目的の場合は自立運転機能をつければFIT認定の対象に

10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電設備でFIT認定を受けるためには、地域活用要件を満たしたうえで余剰売電することになります。

自家消費による節税と電気代を削減する目的で設置する設備なら、自家消費率が30%を超えていると認められることにより、FITで余剰売電が可能です。

10kW以上の太陽光発電設備を導入するときは、無料の一括見積りを活用して、要件を満たした設備を安く設置しましょう。