パリ協定

世界全体で起きている気候変動に対して、国際社会に地球温暖化対策が求められている。その中で採択されたパリ協定は、世界各国の環境に対する意識に大きな変化をもたらした。グローバル企業だけでなく、取引のある中小企業にもその波が押し寄せている。

すでに取引先の大企業から脱炭素化を迫られているが、何をすればいいのか分からないと頭を悩ませている企業もあるだろう。

この記事では、現代の脱炭素のキーとなるパリ協定について知り、脱炭素化をビジネスチャンスはとつながるよう解説していく。

パリ協定とは?

パリ協定とは、「大気中の温室効果ガス濃度の安定化」を目的とした、2020年以降の具体的な枠組みのことである。1997年の京都議定書につぎ、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を締約したすべての国に削減義務がある。日本を含む175カ国が署名し、温室効果ガスの排出量の世界第一位である中国、第二位であるアメリカも合意。ロシアは2019年9月に合意に至った。このように世界全体で注目されているのがパリ協定である。

パリ協定が目指すこと

パリ協定は世界の温室効果ガスの総排出量の55%を占める、55カ国が批准するという条件を満たし、2015年に採択。2016年に発効された。

各国が具体的な目標を掲げ、それを5年ごとに見直して提出するという仕組みだ。定期的に計測・報告し、国際的に検証することで、より実質的なアクションを促す協定になっている。

パリ協定の長期目標

再エネ

パリ協定の長期目標として、大きく2つの目標が掲げられている。

1つ目は、「世界の平均気温上昇を産業革命前の値に対して、2℃より十分に低く保つ(2℃目標)とともに、1.5℃に抑えるために努力する(1.5℃目標)」というもの。

2つめは、「可能な限り早期に温室効果ガスの排出量をピークアウトして、今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する」というものだ。

つまり、早期に温室効果ガスを減少させながら、今世紀中に人間の社会活動における温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするということである。また、この目標は先進国だけでなく、発展途上国にも設定されているため、その支援も課題となっている。

パリ協定における日本の目標

パリ協定の日本の目標として「2030年度における温室効果ガスの排出を2013年度対比で26%削減する」ことを掲げている。下記表が日本の目標とその進捗になっている。

年度比較年削減率
2016年2012年度比7%削減
2017年2013年度比19%削減

2016年に発効された目標に向けて順調に数値を伸ばしている。今後さらに数値を伸ばすには、一般家庭は勿論のこと、温室効果ガスの排出量が多い企業が、率先して脱炭素化と省エネルギー化をすすめる努力が必要不可欠だ。

ビジネスにもたらされた影響

国際的なビジネスイニシアチブとして、パリ協定の目標が設定された影響は大きい。各企業が、自社の電力を再生可能エネルギーでまかなう自家消費用発電の導入「創エネ」や、事業電力の消費を抑える「省エネ」を始めている。それによってCO2排出量を減らすことが目的だ。

またパリ協定を、ビジネスチャンスと捉える企業も増えている。省エネルギーかつ高性能な製品やサービスの研究・開発に努め、国内外にその普及をすすめることが可能だからだ。

一般家庭においても、電化製品や蓄電池などによる省エネルギーや、太陽光発電など環境を配慮した創エネルギーが注目されている。導入する家庭が増えることで、消費者による従来の製品からの買い替えが促進される。

ただし「環境に良い」というだけで購買意欲を高めるということは難しいだろう。やはり、その他の性能による付加価値や、省エネ製品のメリットを「毎月の電気代(ライフサイクルコスト)が安くなる」など、消費者目線でのベネフィットとして提案していく必要がある。

中小企業が脱炭素化に取り組むメリット

取引

パリ協定によって世界的に環境保全に対する取り組みが加速する流れのなかで、中小企業にとっても脱炭素化は無関係ではない。というのも、大手企業が脱炭素化に取り組むことで、取引先である中小企業にも脱炭素化を求める動きがあるからである。

例えば、日本の大手自動車メーカーでは、製造から廃棄までのサイクル全体でCO2ゼロなどを長期目標に掲げている。これは、部品を提供する企業にも脱炭素化を求める内容が含まれている。

この先、脱炭素化に取り組まない企業は「環境保全意識の低さ」を評価され、取引先から除外される可能性が出てきているのだ。

反対に、大手企業が環境保全に取り組む企業を探すことも起こるだろう。脱炭素化に積極的に取り組んでいることで、中小企業にとって大きな取引が生まれる可能性がある。

ビジネスチャンスを掴む!大手企業とともに脱炭素化を目指そう

パリ協定によって、世界各国で脱炭素化に取り組む動きが見られ、日本も例外ではない。アメリカは同年11月に離脱を正式通告したものの、地球温暖化対策について話し合う国連会議には代表団を派遣している。地球温暖化対策には無関係で居られないということだ。

大企業だけでなく中小企業にとって大きなビジネスチャンスとなる可能性がある。

脱炭素化の選択肢として、省エネはもちろん、創エネが重要になる。選択肢の一つとして、税制優遇や補助金が受けられる自家消費用太陽光発電の導入がおすすめだ。