太陽光発電にかかる相続税

相続はいつ発生するか分からないもの。それだけに、「自分には無縁だ」と思っている人もいるかもしれない。しかし、2015年に法改正が行われてから相続税の課税対象となる人が大幅に増えている。

これまで相続税と関係のなかった多くの人が、相続税対策を迫られる時代になったのだ。相続税の問題に対処するには、事前の対策が重要である。いざというときに相続税で損をしないように、相続税の基本や相続対策についてあらかじめ理解しておこう。

例えば、この記事で紹介する太陽光発電の導入のように節税効果が期待でき、かつ売電による収入や電気代削減といったメリットも得られる相続対策もある。

そもそも相続税ってどんなもの?

相続税対策としての太陽光発電について説明する前に、そもそも相続税がどのようなものなのかについて解説したい。以下、相続税の基本から、贈与税との違い、あるいは税率や計算方法について見ていくことにしよう。

相続税の基本

相続税は、亡くなった方の資産に対して相続税法に基づいて課税され、故人の資産を相続した人が支払う税金である。

一定額以上の遺産を受け取った場合には、もらった財産の価額に応じた相続税を払わなければならない。しかも、遺産を多くもらえばもらうほど、支払う金額も増えるという仕組みになっている。

どうしてこのようなルールになっているのかというと、それは相続税に国の経済政策の一環としての性格があるからだ。実は相続税という制度背景には、貧富の差を少なくするための「富の再分配」という基本思想がある。

そのため、資産の多い人からは多く、資産が少ない人からは少なくもらう、というシステムになっているのだ。

贈与税との違い

相続と関係の深い税金には相続税の他、贈与税というものがある。相続税は亡くなった方の資産を相続した人に課税される税金だが、贈与税は誰かにまとまった財産をあげる場合にかかる税金だ。

例えば、親から子供に多額の現金を生前贈与する場合のように、もらった財産の価額によっては贈与税を支払う必要が出てくる。贈与税の課税対象となる財産は、財産をあげる人・もらう人との関係性によって、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の2種類に分類される。

・特例贈与財産:直系の祖父母、父母からその年の1月1日時点で20歳以上の子・孫への贈与
・一般贈与財産:特例贈与財産の条件に当てはまらない場合の贈与

特例贈与財産と一般贈与財産とでは税率が異なり、特例贈与財産では一般贈与財産に比べ、税率が優遇されている。なお、相続開始前3年間でもらった贈与財産は贈与税ではなく、相続税の課税価格に加算されるため、注意されたい。

相続税の法改正

2015年に相続税法が改正されたことで、相続税の課税対象者が増加した。例えば、改正後の2016年(平成28年)ではこれまでの約2倍、8.1%の人が課税対象になっている。

どうして課税される人が増えたのかというと、それは課税対象となる遺産の額から差し引かれる「基礎控除」が減ったからだ。相続税には「基礎控除」と呼ばれるものがあり、基礎控除の額を超えた遺産に対して、課税される仕組みになっている。

また、具体的な税金の金額は相続した財産の金額に合わせた税率で計算され、もらった財産が多いほど相続税の税率も上がっていく。

2015年の相続税法改正では、実はこの「基礎控除」の額が大幅に減らされた。これまで、基礎控除の計算方法は「5,000万円+1,000万円×相続人の数」となっていたが、これが「3,000万円+600万円×相続人の数」という計算方法に変更されたのだ。

ちなみに、最高税率も50%から55%にアップしている。相続財産への課税を強化するという方向性の改正であることは間違いない。

相続税の税率と計算方法

2015年(平成27年)1月1日以後に相続が開始した場合の税率と控除額については以下の通りである。

決定相続分に応ずる取得金額:税率:控除額
1,000万円以下:10%:なし
3,000万円以下:15%:50万円
5,000万円以下:20%:200万円
1億円以下:30%:700万円
2億円以下:40%:1,700万円
3億円以下:45%:2,700万円
6億円以下:50%:4,200万円
6億円超:55%:7,200万円

実際に相続税を計算するときは、課税額から基礎控除額を差し引いた金額(課税遺産総額)を、法定相続分で按分して計算する。

例えば、夫が亡くなり、その配偶者と子供2人が相続人となった場合の子供1人あたりの相続税額について考えてみよう。このとき、遺産が6000万円あったとすると、法定相続に従って遺産を分けたときの相続税の金額は次のようになる。

・基礎控除額
3000万円+600万円×3=4800万円

・課税遺産総額
6000万円-4800万円=1200万円

・子供1人あたりの相続税額
子供(1人あたり)…1200万円×1/4×10%=30万円

ここで紹介した事例は、法改正前のルールでは基礎控除額が遺産の総額を大幅に超えて相続税がかからなかったケースだ。改正前なら無税だったものが、改正後にはしっかり相続税の課税対象になっていることが分かる事例といえよう。

太陽光発電の相続税評価について

ところで、相続税の課税対象は不動産や現金だけとは限らない。太陽光発電システムのように、財産的な価値のある動産も課税対象に含まれる。それでは、太陽光発電システムを相続する場合、どれくらい相続税がかかってくるものなのだろうか。

太陽光発電システムのような動産を相続する場合、本来ならば売買実例価格で財産的な価値を評価するのがルールである。しかし、まだ登場して50年も経っていない太陽光発電は、中古市場が未成熟なため実例から評価することができない。

そこで、太陽光発電の財産的な価値を評価する際には、取得価格(購入時の価格)から相続発生時までの減価償却費を控除した「残存価格」を用いるのが一般的だ。税法上、太陽光発電の法定耐用年数は17年。減価償却の計算方法は定率法だ。また、この計算で使う償却率は0.127となっている。

例えば、1,000万円の太陽光発電システムを3年した使用の場合の残存価格は次のような計算で求めることができる。

・1年目の減価償却費:127万円(1,000万円×0.127)
・2年目の減価償却費:1,108,710円({1000万円-127万円}×0.127)
・3年目の減価償却費:967,904円({1000万円-127万円-1,108,710}×0.127)

残存価格は6,653,386円となる。

融資返済中に相続した場合はどうなる?

太陽光発電システムは、現金一括ではなく融資を利用して購入するケースがほとんどだが、返済中に相続する場合はどのような扱いになるのだろうか。

もし残債がある場合、原則相続人がその債務を引き継ぐことになる。ただし、その代わり債務分が「債務控除」として評価額から差し引かれるため、その分財産にかかる相続税も減る。

例えば相続時点で、借り入れから3年経過していた場合、その時点での残債から太陽光発電の評価額を引いた金額が、相続税評価額から控除される。

https://www.tainavi-next.com/library/224/

太陽光発電を活用した相続税対策

太陽光発電は、相続税対策としても活用できる。以下、太陽光発電を活用した節税対策の例を紹介することにしよう。

配偶者が遺産を相続して太陽光発電に投資する

1つ目の方法は、残された配偶者に太陽光発電に投資してもらうことである。

配偶者が遺産を相続する場合は「配偶者特別控除」があるため、1億6千万円までは相続税がかからない。そのため、まずは配偶者が相続して、もらった遺産を太陽光発電に投資する。その後、売電収入を子供に贈与していけば、節税対策をしながら子供に財産を残すことが可能だ。

なお、贈与税については年間110万円までの贈与については非課税となっている。ただし、毎年同じ日に一定額を贈与している場合は、「計画的な暦年贈与」とみなされて一括相続の扱いになるため、贈与の日付や金額には注意しよう。

配偶者が相続したお金を子供に貸して太陽光発電に投資する

2つ目の方法は、配偶者が相続した現金を子供に貸し、そのお金で太陽光発電に投資してもらう方法である。

この場合、まずは控除額が大きい配偶者に預金などを非課税で相続してもらい、そのお金を子供に貸して、子供が太陽光発電に投資するという形式をとる。そして子供は売電収入から、借りたお金を返済していく(年間110万円までは贈与税は非課税)。

この方法には、子供の名義で太陽光発電を購入していることから、その後に親(非課税で相続した配偶者)が亡くなった場合でも、名義変更の手間がかからないというメリットがある。

https://www.tainavi-next.com/library/253/

相続税への理解と太陽光発電を活用した節税対策を始めよう

相続は突然発生するものである。実際に相続が起きたときに困らないためにも、事前に相続税への理解を深め、また対策を考えておくことは大切なことといえよう。

太陽光発電であれば相続対策としても活用でき、さらに残された配偶者などが安定収入を得られるというメリットがある。

いざというときに慌てないためにも、これから相続税対策を始めるのであれば一度タイナビNEXTの一括見積りで見積りをとってみてはどうだろうか。複数の業者の契約内容や価格を比較検討できるため、納得のいく選択ができるはずだ。