一口に投資といっても、その種類はさまざまだ。これから土地を使って投資を始めようという人にとっては、どの投資方法を選べばよいのか迷ってしまうことも多いだろう。
そこで、土地を活用してできる投資にはどのような種類があるのか、代表的な投資法とその特徴について詳しく解説していこう。
あらゆる投資先から自分に合うものを見つけよう
土地を活用した投資方法にもさまざまなものがある。賃貸住宅に駐車場、太陽光発電に土地貸しなどだ。それぞれ特徴があるが、大きな違いは「リスクの大きさ・リターンの大きさ」だろう。
自分に合った投資手法を選択するには、投資法の特徴をしっかりと把握することが大切だ。ここからは各投資法の特徴を踏まえて、向いている人・向いていない人について説明していこう。
賃貸経営や住宅経営の特徴、長所と短所
安定的な収入を長期間に渡って得る投資法として代表的なものが、アパート・マンション経営だ。
アパート・マンション経営を始めるにあたっては、建物の建築費など多額の資金が必要だが、安定的な収入を長期間に渡って得られるメリットがある。税制面でのメリットも大きく、相続税対策として利用する人が多いのも特徴だ。
戸建の賃貸経営も、土地を活用した投資法として代表的なものといえる。アパート・マンション経営よりも建築費を抑えられるので、少ない初期投資での資産運用が可能となるのだ。戸建てはアパート・マンションと比べて売りやすいという側面もあるため、流動性の高い資産ともいえるだろう。
賃貸経営は入居者が居る限り、安定的に毎月の家賃を手にできるというメリットがある。ただし、空室ができてしまうと途端に収益も不安定になるリスクがある。
ハイリスク・ハイリターンであり、長期にわたる物件の世話が重要だ。
向いている人・向いていない人
賃貸経営や住宅経営に向いている人としては、まず「今の収入に満足できていない人」が考えられる。社会人としての経験はアパート経営にも生かされる上、安定した給与収入がある会社員はローンを組む際にも有利だ。
また「安定志向でリーダー気質の人」も賃貸経営や住宅経営に向いている。安定志向の人は無謀な投資はしないだろうし、いろいろな事を自分で解決する機会に多く直面する可能性があることから、リーダー気質はアパート経営にプラスに働くだろう。
さらに、賃貸経営に成功するには常にユーザーの動向を把握し、経営ノウハウを磨かなければならない。そのため、賃貸経営や住宅経営に向いている人として「勉強家」も挙げられるだろう。
太陽光発電の特徴、長所と短所
太陽光発電には、賃貸経営のような空室リスクはない。管理に手間がかからないうえに年間の利回りが高いため、安定収入が見込めるという大きなメリットがある。
ただし、天候不順などで日照が極端に少なくなると売電量が減る、台風などの自然災害によって太陽光パネルが破損するといったリスクが考えられる。
向いている人・向いていない人
太陽光発電が向いている人としては、「メリット・デメリットとリスクをきちんと理解できている人」が挙げられる。太陽光発電はすぐに元が取れるわけではない。投資した金額に対して、どれだけの投資利益率で運用できるのかをきちんと把握し、想定されるリスクに対処することが重要だ。
そのため「投資につきもののリスクを理解していない人」には、太陽光発電は向いていないといえるだろう。
トランクルームや駐車場経営の特徴、長所と短所
トランクルームや駐車場経営には、手軽に始められるというメリットがある。平面駐車場であれば少ない初期投資で、トランクルームはコンテナを置くだけで始めることが可能だ。
青空駐車場であれば初期投資はほとんど必要ない上に、維持・管理のためのコストや手間も抑えられる。ほとんどコストをかけずに安定的に賃料を得られるうえに、アパート・マンション経営など他の投資法に変更しやすいのも魅力だ。
駐車場経営のデメリットとして、マンション経営やアパート経営に比べると税負担が大きくなってしまうことがある。
向いている人・向いていない人
トランクルーム経営は「手軽に土地活用投資を始めたい人」「賃料が決して高くないことを理解している人」におすすめといえる。ただし、トランクルームは見た目が良いとはいえないため、自分の資産として「見た目を重視する人」には向いていない。
駐車場は駅から距離のある場所などでも高いニーズが見込めるため、「立地条件が利益に影響しにくい土地活用法を探している人」におすすめだ。
ただし、「税制上のメリットを受けたいと思っている人」には、駐車場経営は向かない。
借地利用(土地貸し)の特徴、長所と短所
一時金方式の定期借地も土地を活用した投資法としては魅力的だ。50年以上の期間を設定して土地を貸す方法で、地代は最初に一括して受け取ることが可能である。そのため、アパート・マンション経営のような初期投資をせずとも、まとまった金額を手にすることができるのだ。
借地として土地を貸し出す投資においては、その土地を活用してくれる人が見つかれば、賃貸経営のような空室リスクは少なくなるだろう。
実入りは少なくローリスク・ローリターンであることがメリットであり、デメリットである。
向いている人・向いていない人
また、初期投資も少なくて済み、管理する側の負担が少ないというメリットもある。「空室リスクや建物の滅失リスクを負いたくない人」「管理作業の負担が軽い投資を選びたい人」には借地利用の投資がおすすめだ。
ただし、収益源が地代なので家賃収入に比べると収益性が劣るという特徴もある。そのため「多額の収益を簡単に上げたい人」には向いていないといえる。
ローリスクで選ぶ投資先は太陽光発電がベスト
太陽光発電は、発電した電気を固定価格で電力会社に売却することができるため、高利回りで運用できる投資法として注目を集めている。
これは国が定める固定価格買取制度(FIT法)によって定められている。投資に用いる産業用太陽光発電(発電容量10kW以上)であれば、20年間同じ価格で購入してもらうことが可能だ。
長期間に渡って安定した利益を得られるため、確実性の高い投資法といえるだろう。
たとえばアパート・マンション経営であれば、空室が出ると収益額は一気に下がってしまう。しかし、太陽光発電においては、収益が不安定になるリスクは限りなく少ない。
将来にわたって定められた価格での電力買い取りが保障されているという点は、他の投資法にはない太陽光発電ならではのメリットだ。
ただし、太陽光発電には小さいながらもリスクが存在する。その1つは天候不順などで発電量が減ってしまうことである。売電価格が固定されていても、発電量が減少すれば、収入は減ってしまう。
また太陽光パネルなどは耐久性に優れているが、台風などによる破損や盗難などの可能性もゼロではない。
このような太陽光発電ならではのリスクを理解し、ハイリスクを避けて利益を上げたい人には、太陽光発電投資が向いているだろう。
一般的な太陽光発電の年間利回りは10%前後と、他の金融商品に比べても高い割合になっている。利益をあげるためには、太陽光発電システムの設置費用を相見積もりして初期投資を抑えるなどの工夫は必須だ。
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