
「東京は地価も電気代も高いから、補助金くらいでは焼け石に水」──そう考える事業者の方に知ってほしい制度があります。東京都の「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」は、太陽光発電設備に中小企業等で補助率2/3以内、上限2億円という、全国的にも屈指の規模で支援する事業者向け制度です。
さらに23区・多摩地域・島しょ部それぞれで市区町村独自の補助金が動いており、葛飾区・品川区・北区・八王子市などは単価・上限額ともに手厚い水準にあります。都の制度と市区町村の制度をどう組み合わせるかが、初期費用を抑える最大のポイントです。
この記事では、東京都内の事業者が使える太陽光発電・蓄電池の補助金を、都の制度から23区・多摩地域・島しょ部まで一覧で整理し、申請の注意点、費用回収の目安までまとめて解説します。
【早見表】東京都で事業者が使える太陽光・蓄電池補助金(2026年度)
2026年度に事業者向け太陽光・蓄電池補助が確認できる自治体は62区市町村中33。そのなかでも金額・使いやすさで目を引く主な制度は次のとおりです(2026年7月28日時点の調査に基づく。受付状況は変動するため申請前に各公式サイトでご確認ください)。主要制度は本文内の「補助金HP」と末尾の出典一覧から一次情報を確認できます。
| 自治体 | 太陽光発電 | 蓄電池 | 2026年度の受付 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 中小2/3以内・その他1/2以内、上限2億円 | 単独設置枠:中小3/4・その他2/3、上限900万円/800万円 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算到達次第終了) |
| 葛飾区 | 6万円/kW・上限60万円 | 1/4・上限20万円(10kWh未満)/100万円(10kWh以上) | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日必着 |
| 品川区 | 5万円/kW・上限20万円(B区分は50万円) | 3万円/kWh・上限30万円(延床150㎡以上) | 令和8年5月25日〜令和9年3月15日(先着) |
| 北区 | 経費の20%・上限100万円(EMS認証30%・150万円) | 1.2万円/kWh・上限12万円 | 交付申請は令和9年2月26日まで |
| 八王子市 | 1万円/kW・上限10万円(カーポート特例3万円/kW) | 定額3万円(太陽光同時導入必須) | 令和8年4月22日〜(先着) |
| 島しょ9町村 | 1kW当たり30万円・4分の3以内 | 太陽光と同時設置枠あり | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算到達次第終了) |
上記以外にも千代田区・中央区・港区・小平市など多数の自治体で補助が動いています(後述の一覧参照)。まずは都の本命制度から見ていきましょう。
都の本命「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」|上限2億円
ガラスレス製品なら中小企業等で補助率4/5まで
東京都(クール・ネット東京)の「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」は、都内に設置する民間事業者(民間企業・学校法人・公益財団法人・医療法人・社会福祉法人等)を対象に、太陽光発電設備へ通常品は中小企業等2/3以内・その他1/2以内、ガラスレス製品は中小企業等5分の4以内・その他4分の3以内という高補助率を用意。蓄電池同時設置を含め上限額は2億円です。
蓄電池は単独設置枠でも申請できる
同事業には蓄電池単独設置枠もあり、中小企業等3/4以内・上限900万円、その他2/3以内・上限800万円が交付されます。市区町村の制度は蓄電池を太陽光とのセットに限定するものが多いなか、都は単独導入でも申請できる点が特徴。FIT/FIP制度の設備認定を受けない設備であることが要件です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 東京都 地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(クール・ネット東京) |
| 対象者 | 都内に設置する民間事業者(民間企業・学校法人・公益財団法人・医療法人・社会福祉法人等) |
| 補助額 | ・太陽光発電設備:通常品は中小企業等2/3以内・その他1/2以内、ガラスレス製品は中小企業等5分の4以内・その他4分の3以内、上限2億円(蓄電池同時設置含む) ・蓄電池単独設置枠:中小企業等3/4以内・上限900万円、その他2/3以内・上限800万円 |
| 主な条件 | FIT/FIP制度の設備認定を受けない設備であること 事業実施期間は令和6〜10年度、助成金申請は令和8年度まで |
| 受付期間 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(予算額に達し次第終了) ※2026年7月28日時点 最新の受付状況は公式サイトでご確認ください |
| 補助金HP | クール・ネット東京 公式サイト |
このほか都は系統用大規模蓄電池の導入支援や、東京都中小企業振興公社の「エネルギー自給促進事業」(現地調査を経て2/3以内・上限1,500万円)も展開しています。上限2億円という規模は市区町村の制度とは桁違いのため、大規模な太陽光導入を検討するなら真っ先に候補に入れるべき制度です。
23区の補助金|葛飾区・品川区・北区が手厚い水準
葛飾区|太陽光6万円/kW・蓄電池は容量帯で上限100万円まで
葛飾区の「《事業所用》かつしかエコ助成金」は、中小企業等を対象に太陽光へ6万円/kW・上限60万円、蓄電池へ1/4・上限20万円(10kWh未満)または100万円(10kWh以上)を交付します。併設加算5万円もあり、23区でも蓄電池の上限額が際立つ制度です。工事着工4週間前までの事前協議が必須で、過去10年間の同一建物・同種機器での区助成がないことが条件です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 令和8年度《事業所用》かつしかエコ助成金 |
| 対象者 | 区内の事業所等に対象機器を導入する中小企業等 |
| 補助額 | 太陽光:6万円/kW・上限60万円/蓄電池:1/4・上限20万円(10kWh未満)または100万円(10kWh以上) 併設加算+5万円 |
| 主な条件 | 事前協議必須(工事着工4週間前まで) 過去10年間に同一建物・同種機器での区助成を受けていないこと |
| 受付期間 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日必着 |
| 補助金HP | 葛飾区公式サイト |
品川区|規模別のA・B区分で上限20万〜50万円
品川区の「しながわゼロカーボンアクション助成」は太陽光へ1kWあたり5万円を交付しますが、延床面積によりシステムA(150㎡未満・上限20万円)とシステムB(150㎡以上・上限50万円)に分かれます。蓄電池は事業者枠(延床150㎡以上)で1kWhあたり3万円・上限30万円、予定件数10件の先着制。いずれも設置完了後の申請です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 令和8年度 しながわゼロカーボンアクション助成 |
| 対象者 | 中小企業者等(太陽光システムA:延床150㎡未満/システムB・蓄電池:延床150㎡以上) |
| 補助額 | 太陽光:1kWあたり5万円(システムA上限20万円・システムB上限50万円)/蓄電池:1kWhあたり3万円・上限30万円(予定件数10件) |
| 受付期間 | 令和8年5月25日〜令和9年3月15日(先着順、設置完了後に申請) |
| 補助金HP | 品川区公式サイト |
北区|経費の20〜30%、EMS認証で上限150万円に増額
北区の「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成」は、区内に事業所を有する中小企業者等を対象に、太陽光へ対象経費の20%(通常)または30%(ISO14001等のEMS認証取得事業所)を交付し、上限額も100万円から150万円に増額。蓄電池は1kWhあたり1.2万円・上限12万円です。着工は申請後7開庁日以上経過してからという規定があり、工事完了済みの案件は対象外です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 令和8年度 北区再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(中小企業者等用) |
| 対象者 | 区内に事業所を有する(又は有する予定の)中小企業者等 |
| 補助額 | 太陽光:経費の20%・上限100万円(EMS認証取得事業所は30%・上限150万円)/蓄電池:1kWhあたり1.2万円・上限12万円 |
| 主な条件 | 着工は原則申請後7開庁日以上経過後(工事完了済みは申請不可) |
| 受付期間 | 交付申請:令和9年2月26日まで必着/工事完了報告:令和9年3月15日まで必着 |
| 補助金HP | 北区公式サイト |
そのほかの区の補助金|千代田区は受付一旦終了に注意
| 区 | 制度名 | 太陽光 | 蓄電池 | 受付状況 |
|---|---|---|---|---|
| 千代田区 | 省エネルギー改修等助成制度(事業所ビル枠) | 経費20%・他設備込み上限200万円 | 経費20%・同上枠内 | 予算到達で今年度分は一旦受付終了(2026年7月28日時点・再開検討中) |
| 中央区 | 事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 | 10万円/kW・上限100万円(エコアクト参加で最大16万円/kW・130万円) | 対象(単価はR8確定額が要問合せ) | 令和8年4月1日〜予算なくなり次第終了 |
| 港区 | 地球温暖化対策助成制度(太陽光発電システム) | 10万円/kW・上限100万円 | 事業者向けなし(区民のみ対象) | 2026年4月1日〜2027年1月29日 |
| 新宿区 | 省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度(事業所) | 10万円/kW・上限80万円 | 事業所向けなし(個人住宅のみ) | 期別受付(各期予算到達で終了) |
| 文京区 | 持続可能性向上支援補助金(省エネ設備) | 2/3(高機能換気4/5)・上限50万円(ISO14001取得は100万円) | 対象外 | 年3回受付(抽選制、第2回8/4・第3回12/8予定) |
| 台東区 | 脱炭素推進助成金(太陽光発電システム設置) | 5万円/kW・上限20万〜50万円 | 事業所向けなし(住宅のみ) | 後期事前申込8月18日〜24日 |
| 墨田区 | 地球温暖化防止設備導入助成制度 | 5万円/kW(工事費との低い方)・上限20万円 | 業務用は対象外(家庭用のみ) | 令和8年4月1日〜令和9年2月26日必着 |
| 江東区 | 事業所用地球温暖化防止設備導入助成 | 5万円/kW・上限20万円 | 対象(単価は要問合せ) | 令和8年4月1日〜令和9年3月15日必着 |
| 杉並区 | 再生可能エネルギー等の導入助成 | 4万円/kW・上限12万円 | 定額5万円 | 令和8年4月10日〜令和9年2月26日必着 |
| 中野区 | 省エネルギー設備等の設置に係る補助金 | 定額15万円 | 定額10万円(PDF要確認) | 前期5月15日〜・後期11月30日〜令和9年2月28日 |
| 練馬区 | カーボンニュートラル化設備設置補助金 | 定額8万円 | 対象外(R8は太陽光等のみ) | 令和8年4月15日〜令和9年3月31日必着 |
| 足立区 | 太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金 | 6万円/kW・上限24万円(区内事業者契約で7.2万円/kW・28.8万円) | 事業者向けは対象外 | 第2期受付中(7月1日〜9月30日) |
千代田区は上限額こそ200万円と大きいものの、すでに今年度分の受付が一旦終了しています。中央区・江東区は蓄電池が対象になっているものの令和8年度の確定単価が公式ページ上で未確定な部分があるため、金額は必ず窓口で確認してください。港区・新宿区・台東区・墨田区は蓄電池が事業者向けには対象外という点にも注意が必要です。
多摩地域の補助金|八王子市が最大都市として牽引
八王子市|太陽光同時導入なら蓄電池にも定額3万円
多摩地域最大の都市・八王子市の「再生可能エネルギー利用機器等設置費補助制度」は、市内に事業所を有する中小企業者等を対象に、太陽光へ1万円/kW・上限10万円(ソーラーカーポート等の特例許可品は3万円/kW・上限15万円)、蓄電池へ定額3万円(太陽光との同時導入が必須・蓄電容量3kWh以上)を交付します。市内事業者からの購入・施工が条件で、「八王子省エネカンパニー」への登録が必須です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 令和8年度 再生可能エネルギー利用機器等設置費補助制度 |
| 対象者 | 市内に事業所を有し又は実績報告時までに有する予定の中小企業者等 |
| 補助額 | 太陽光:1万円/kW・上限10万円(ソーラーカーポート特例3万円/kW・上限15万円)/蓄電池:定額3万円(太陽光同時導入必須・蓄電容量3kWh以上) |
| 主な条件 | 市内事業者からの購入・施工が条件 「八王子省エネカンパニー」への登録が必須 新品限定(リース・PPA不可) |
| 受付期間 | 令和8年4月22日〜(先着順、予算に達し次第終了) |
| 補助金HP | 八王子市公式サイト |
そのほかの多摩地域の補助金
| 市 | 制度名 | 太陽光 | 蓄電池 | 受付状況 |
|---|---|---|---|---|
| 小平市 | 省・創・蓄エネルギー機器等設置モニター助成 | 定額5万円 | 定額5万円(太陽光設置済みが条件) | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日(先着・環境家計簿登録必須) |
| 三鷹市 | 新エネルギー・省エネルギー設備設置助成金 | 1万円/kW・上限10万円 | 定額5万円(太陽光設置が前提) | 設置後12か月未満に申請、予算2,500万円到達で終了 |
| 昭島市 | 住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金 | 15,000円/kW・上限6万円(事業所も対象) | 対象外 | 例年12月1日〜1月31日受付(R8詳細は8月公式掲載予定) |
| 国分寺市 | 脱炭素社会の実現に向けた再エネ・省エネ機器等設置助成制度 | 3万円/kW・上限15万円 | 事業者向けは要問合せ | 第2期:令和8年12月1日〜令和9年3月31日(第1期終了済み) |
| 国立市 | 中小企業省エネ改修等事業費補助金 | 経費の1/3・上限50万円 | 記載なし | 令和8年4月1日〜令和9年2月27日(先着、省エネ診断が前提) |
| 狛江市 | 地球温暖化対策用設備導入助成金 | 2万円/kW・上限8万円(共同住宅共有部は20万円) | 上限5万円(住宅向け枠組み中心・事業者適用は要確認) | 令和8年4月1日〜令和9年1月29日先着 |
| 多摩市 | 事業者向け重点対策加速化事業補助金 | 市内事業者施工3万円/kW・市外2万円/kW(上限49kW・最大147万円) | 対象外 | 令和8年4月27日〜令和9年1月29日先着 |
| 羽村市 | 中小企業経営基盤強化助成金(環境配慮加算) | 経費2/3・上限5万円(単独申請不可) | 対象外 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日随時 |
多摩地域は八王子市を除くと小口の補助が中心です。羽村市は太陽光単独では申請できず、他の助成メニューとの併用が条件になっている点に注意してください。
島しょ部の補助金|都の広域制度で4分の3・上限1億円
大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村の島しょ9町村には、町村独自の事業者向け太陽光・蓄電池補助は確認できませんでした。ただし東京都(クール・ネット東京)が実施する「島しょ地域における太陽光発電設備等助成事業」が9町村共通で使え、助成対象経費の4分の3以内、太陽光は発電出力1kWあたり30万円を乗じた額、上限1億円という23区・多摩地域を上回る規模の支援です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 制度名 | 島しょ地域における太陽光発電設備等助成事業(東京都・クール・ネット東京) |
| 対象地域 | 大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村(9町村) |
| 対象者 | 民間企業・独立行政法人・公益財団法人・医療法人・社会福祉法人等の事業者、個人事業主、島しょ町村 |
| 補助額 | 助成対象経費の4分の3以内 太陽光発電設備は発電出力(kW)×30万円を乗じた額 上限は1助成対象事業につき1億円 |
| 主な条件 | FIT/FIP認定を受けない設備であること 太陽光単独、太陽光+蓄電池、蓄電池単独のいずれも対象(八丈町・青ヶ島村・小笠原村は原則、太陽光と蓄電池の同時設置が求められる) |
| 受付期間 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日17時まで(予算到達次第終了) 令和6〜8年度事業、交付は令和9年度まで |
| 補助金HP | クール・ネット東京 公式サイト |
島の事業者は独自制度が少ない分、この都の広域制度が実質的な受け皿になります。細かな運用は町村ごとに窓口対応が異なる可能性があるため、申請前に各町村の企画財政課等へ確認するのが確実です。
併用ルールと申請の注意点
①太陽光単体では使えない制度がある。八王子市・三鷹市・小平市の蓄電池補助は太陽光との同時(または既設)導入が条件。羽村市の太陽光補助も単独申請ができず、他メニューとの併用が必須です。
②着工前・申請前のタイミングが厳格。北区は「申請後7開庁日以上経過後」、葛飾区は「着工4週間前までの事前協議」が必須。工事完了済みは多くの制度で対象外になるため、契約前に必ず申請状況を確認してください。
③蓄電池が事業者向けには対象外の区も多い。港区・新宿区・台東区・墨田区・練馬区・多摩市・羽村市は太陽光のみ対象で、蓄電池は個人(住宅)向けのみ、または対象外です。
④先着・予算枠の制度がほとんど。千代田区はすでに予算到達で受付を一旦終了しており、新宿区・国分寺市は期別受付で早い期ほど埋まりやすい構造です。年度の早い時期に動くほど選択肢が広がります。
⑤単価が「未確定・要問合せ」の制度もある。中央区・江東区の蓄電池単価は公式資料上で確定値の確認が取れていません。数値を予算計画にそのまま組み込まず、必ず窓口で最終確認をしてください。
⑥国制度・税制優遇は同一経費の重複適用に注意。国庫補助や税制優遇は、同じ設備・同じ取得価額に対する重複適用が制限される場合があります。補助金の上乗せ可否と税務処理は、公式要領・税理士・施工会社に確認してください。
この確認作業を自社でやるのは大変です。都・区市町村の申請実務に慣れた施工会社なら、使える制度の洗い出しから申請書類まで一括で支援してくれます。
国の補助金・税制優遇も忘れずに(2026年度)
ストレージパリティ補助金(環境省)
令和8年度のストレージパリティ補助金は、民間企業等の自家消費型太陽光発電設備・蓄電池の導入を支援する国庫事業です。原則として太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入する事業が対象で、支援メニュー上は太陽光発電が定額5万円/kWほか(上限2,000万円)、蓄電池等が定額(上限4,000万円)とされています。公募期間・対象設備・補助単価は公募回や導入形態で変わるため、申請前に公募要領の確認が必須です。
※参考:環境省「令和8年度予算 ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」の公募について、環境イノベーション情報機構 公募ページ、環境省「地域脱炭素の取組に対する関係府省庁の主な支援ツール・枠組み」(確認日:2026年7月28日)
中小企業経営強化税制|即時償却で初年度に節税
中小企業経営強化税制は、経営力向上計画の認定を受けて対象設備を取得した場合に、即時償却または取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下は7%)を選択できる制度です。適用期限は2027年3月31日まで。発電設備等で税制措置を使う場合は「発電設備等の概要等に関する報告書」の添付が必要で、計画期間中の発電量のうち販売見込みの電気量が2分の1を超える発電設備等は対象外です。補助金とは別制度として検討できる場合がありますが、税務上の扱いは税理士・管轄窓口で確認してください。
※参考:中小企業庁「中小企業経営強化税制」、中小企業庁「申請書様式類」(確認日:2026年7月28日)
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制は、産業競争力強化法の認定を受けた計画に基づき、生産工程効率化等設備を取得した場合に特別償却または税額控除を受けられる制度です。令和8年度税制改正大綱では適用期限を2年延長する見直しが示されていますが、対象期間・控除率・認定条件は改正内容や申請時期で変わるため、経済産業省・国税庁の最新情報を確認してください。工場・物流拠点の大型投資と一体で検討する企業に向いています。
※参考:経済産業省「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」、国税庁「No.5925 カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」(確認日:2026年7月28日)
東京都で産業用太陽光を導入すべきか?費用と回収の目安
地価が高いからこそ、屋根・自家消費の価値が上がる
東京都内は新規に太陽光用地を確保するコストが高い一方、既存の工場・倉庫・事業所ビルの屋根を活用する自家消費型太陽光であれば、追加の用地コストなしに電気代削減効果を得られます。都の補助率2/3以内・上限2億円という支援水準は、こうした都市部特有の制約を踏まえても投資回収を後押しする規模です。
また、東京都内は昼間の電力需要が大きいオフィスビル・物流施設・食品加工業などが集積しており、稼働時間が長い業種ほど自家消費率が高まり投資効率が上がります。
葛飾区エリア30kWモデルの回収試算
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 設置規模 | 30kW(事業所屋根・自家消費型) |
| 設備費用 | 約630万円(21万円/kWで試算) |
| 葛飾区の補助金 | 6万円/kW×30kW=180万円(上限60万円のため実際は60万円) |
| 年間発電量 | 約31,500kWh(1,050kWh/kWで試算) |
| 年間の電気代削減額 | 約69万円(自家消費分22円/kWhで試算) |
| 回収期間の目安 | 実質約570万円÷約69万円=約8.3年 都の地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業を併用できれば大幅短縮の余地あり |
※上記は本記事独自の概算試算です。設備費用21万円/kW、年間発電量1,050kWh/kW、電気単価22円/kWhを前提にしています。都の「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」(中小企業等2/3以内・上限2億円)を主軸に据え、区市町村の制度を上乗せできれば回収期間は大きく縮まります。屋根の向き・電気単価・設備仕様によって数字は変わるため、自社条件での個別試算が判断の出発点です。
東京都で産業用太陽光発電をお得に導入するならタイナビNEXTへ
上限2億円という都の大型支援に、葛飾区・品川区・北区・八王子市などの区市町村独自補助、島しょ部の広域制度、そして国の税制優遇。2026年度の東京都は、事業者が太陽光・蓄電池を導入する選択肢が非常に多い一方、千代田区のようにすでに受付が一旦終了した例や、蓄電池が事業者向けには対象外という自治体も少なくありません。
成否を分けるのは、①都心部・多摩・島しょ部それぞれの設計・施工力、②都・区市町村の申請実務への習熟、③相見積もりに裏付けられた適正価格──を備えたパートナー選びです。タイナビNEXTなら、審査を通過した優良企業の中から東京都対応の複数社見積もりを無料で取り寄せ、提案と価格をまとめて比較できます。
まずは自社の屋根と所在地で、いくらの補助と削減が狙えるのか。数字を手に入れるところから始めましょう。
>>【無料】東京都対応の優良企業から産業用太陽光の一括見積りを取る
出典・参考にした公式情報一覧
本記事の制度内容・補助額・受付期間は、以下の東京都・区市町村・国の公式サイトの一次情報(2026年7月28日時点)に基づいています。制度は年度途中で内容が変わる場合があるため、申請前に必ず最新情報をご確認ください。
東京都・区市町村の公式情報
・クール・ネット東京公式サイト(地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業)
・クール・ネット東京公式サイト(島しょ地域における太陽光発電設備等助成事業)
・千代田区公式サイト(省エネルギー改修等助成制度)
・中央区公式サイト(事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成)
・港区公式サイト(地球温暖化対策助成制度)
・新宿区公式サイト(省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度)
・文京区公式サイト(持続可能性向上支援補助金)
・台東区公式サイト(脱炭素推進助成金)
・墨田区公式サイト(地球温暖化防止設備導入助成制度)
・江東区公式サイト(事業所用地球温暖化防止設備導入助成)
・品川区公式サイト(しながわゼロカーボンアクション助成)
・中野区公式サイト(省エネルギー設備等の設置に係る補助金)
・杉並区公式サイト(再生可能エネルギー等の導入助成)
・北区公式サイト(再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成)
・練馬区公式サイト(カーボンニュートラル化設備設置補助金)
・足立区公式サイト(太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金)
・葛飾区公式サイト(かつしかエコ助成金)
・八王子市公式サイト(再生可能エネルギー利用機器等設置費補助制度)
・三鷹市公式サイト(新エネルギー・省エネルギー設備設置助成金)
・昭島市公式サイト(住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金)
・小平市公式サイト(省・創・蓄エネルギー機器等設置モニター助成)
・国分寺市公式サイト(再エネ・省エネ機器等設置助成制度)
・国立市公式サイト(中小企業省エネ改修等事業費補助金)
・狛江市公式サイト(地球温暖化対策用設備導入助成金)
・多摩市公式サイト(事業者向け重点対策加速化事業補助金)
・羽村市公式サイト(中小企業経営基盤強化助成金)
国の補助金・税制優遇の公式情報
・環境省(令和8年度予算 ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業)
・環境イノベーション情報機構(ストレージパリティ補助金 公募ページ)
・環境省(地域脱炭素の取組に対する関係府省庁の主な支援ツール・枠組み)
・中小企業庁(中小企業経営強化税制)
・中小企業庁(経営力向上計画 申請書様式類)
・経済産業省(カーボンニュートラルに向けた投資促進税制)
・国税庁(No.5925 カーボンニュートラルに向けた投資促進税制)
・財務省(令和8年度税制改正の大綱)
よく読まれている記事
太陽光発電はBCP対策に使えるか? 自家発電システムをもつべき理由
太陽光パネルにはどんな種類がある?素材や形状の特徴
【2026年最新版】法人向け太陽光発電関連の補助金情報一覧!申請時の注意点なども徹底解説
太陽光発電に必要な土地の広さと規模は?発電量の目安や設置面積の考え方を解説
使わなくなった農地を有効利用!太陽光発電に転用するためのメリットや注意点
10kW以上太陽光発電「50kWの壁」で変わる手続きと管理コスト