法人用ソーラーカーポート

昨今の電気料金の高騰や、迫られるカーボンニュートラルなどへの対応、遊休地の活用などさまざまな課題を持つ法人にとって注目されているのが「法人用ソーラーカーポート」です。

法人用ソーラーカーポートを設置することで、オフィスや工場の駐車スペースを有効活用しながら、電気代の削減や、BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)、EVインフラ整備など、さまざまな課題解決が可能です。

しかし、家庭用太陽光発電とは違い、導入には数百万円〜数千万円規模の初期投資が必要なため、しっかりと資金計画やシミュレーションを行なった上で導入する必要があります。

本記事では、法人用ソーラーカーポートの基本情報とメリット・デメリットを詳しく解説します。

法人用ソーラーカーポートとは?

法人用ソーラーカーポートは、駐車スペースの屋根に太陽光パネルを組み込んだ法人向けの発電設備です。

価格の目安は駐車スペース2台分あたり約200万円〜260万円ほど、発電量は2台分で4.5kWほど、3台分で6kWほどです。(※価格はあくまで参考値です。詳しい金額については設置業者への見積もりが必要です)

また、建築物として扱われる(高さ3m以上の構造物となる)ため、どのエリアに建てるのか、床面積の大きさによって、建築基準法に基づく構造計算や自治体への確認申請を行う必要があります。

加えて、積雪地域では耐荷重設計が必要になるほか、地域ごとの基準風速(34m/s〜46m/s)に応じた耐風対策を検討した上で導入を検討する必要があります。

さらに、設置工事においては、発電容量が50kW以上の「事業用電気工作物」に該当する場合、電気主任技術者の選任が必要です。

事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。

引用元:電気事業法 第43条 第1項

法人用ソーラーカーポートは、家庭用に比べ価格相場が高くなるだけでなく、設置条件が厳しくなる傾向があります。

家庭用ソーラーカーポートとの違い

法人用ソーラーカーポートと家庭用ソーラーカーポートの違いは、規模や用途、設置条件に明確な違いがあります。

法人用家庭用
駐車台数多台数(10台〜100台)1台〜3台程度
発電規模数十kW〜数百kW3kW〜10kW程度
導入目的自家消費、売電、EVインフラ、CSR主に家庭の電気使用
契約形態自社保有、リース、PPA(第三者保有)主に自費購入
工事規模・申請の有無高圧連系、構造計算あり、行政申請要比較的簡易

法人用は10台〜100台規模の駐車場に設置されるのが一般的で、発電容量も数十kW〜数百kWまで拡張可能です。

一方、家庭用は1台〜3台ほどの駐車スペースが中心で、発電容量は3kW〜10kWほどにとどまります。

法人用は自家消費や売電、EVインフラの整備、CSR活動の一環として導入されるケースが多く、契約形態も自社保有だけでなくリースやPPA(第三者保有)などさまざまです。

ただし、工事規模が大きくなるため、高圧連系や構造計算、行政申請などを行う必要があります。

したがって、設計の段階から専門知識と経験が求められます。

家庭用は主に家庭の電気使用を目的としているため、設置は比較的簡易です。

行政申請は不要になる場合が多く、導入費用は法人用が数百万円〜数千万円に対し、家庭用は数十万円〜数百万円ほどで済むケースが多く見られます。

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法人ソーラーカーポートの主な導入目的

法人用ソーラーカーポートを導入する目的は法人によって異なりますが、主に次の6つの目的で導入される法人が多い傾向があります。

  • 電気料金の削減
  • 遊休スペース(駐車場)の有効活用
  • 災害時の非常用電源確保(BCP対策)
  • SDGs・ESG対応
  • EV充電設備との併設によるゼロエミッション充電の実現
  • 余剰電力の売電による収益化

また、業種によっては、以下のような目的で導入されることもあります。

業種目的
製造業・物流倉庫昼間の自家消費に活用、屋根設置の代替
商業施設・スーパーEV充電器の設置+顧客サービス+遮熱対策
医療・福祉施設非常用電源・BCP対応
自治体・学校再エネ導入実績・環境教育の一環

法人用ソーラーカーポートの種類

法人用ソーラーカーポートには、一体型と搭載型の2種類があります。

どちらも駐車場スペースを活用して発電できる点は共通していますが、設計やコスト、導入規模が異なります。

一体型搭載型
設計カーポート本体とパネルが一体設計カーポートの上に別でパネルを設置
見た目スタイリッシュ・無駄がないパネルが出っ張ることがある
強度高い(耐雪・耐風対応がしやすい)構造補強が必要になる場合あり
施工コスト高め(初期設計から対応)安価なことが多い(汎用型対応)
主な導入用途大型駐車場、公共施設、企業敷地小規模導入、既設カーポート活用向け

それぞれ詳しく解説します。

一体型ソーラーカーポート

一体型ソーラーカーポートは、カーポートの屋根が太陽光パネルで構成されています。

構造体とパネルが一体化して設計されているため、設計段階から耐風・耐雪性能を高めやすく、積雪地域や強風地域でも安心して導入できる点が魅力です。

また、スタイリッシュで無駄のないデザインは、企業や公共施設の景観を損なわずに設置できるとして、多方面から高く評価されています。

一体型は設計における自由度が高く、駐車台数や敷地形状に合わせて最適なレイアウトを組める点がメリットです。

耐久性や安全性を重視する企業や自治体、大規模な駐車場を持つ商業施設や物流拠点で多く採用されています。

一方で、初期設計から専用部材を使用するため、施工コストは搭載型より高くなる傾向です。

しかし、長期的な運用やメンテナンスのしやすさ、将来的な拡張性を考慮すると、トータルコストで優位性が出るケースは珍しくありません。

搭載型ソーラーカーポート

搭載型ソーラーカーポートは、既存のカーポートや一般的なカーポートの屋根部分に、後付けで太陽光パネルを設置する方式です。

すでに駐車場にカーポートが設置されている場合や、初期投資を抑えたい法人から選ばれています。

特徴は、標準的なカーポートの構造を活用するため、導入コストを一体型より低く抑えやすい点です。

ただし、パネルの重量や風圧、積雪への耐性を確保するには、カーポート本体の構造補強が必要になる場合があります。

特に積雪地域や強風地域では、補強工事の有無によって費用や工期が大きく変わる場合があるため、事前の構造計算と現地調査が欠かせません。

また、屋根の上にパネルが載る形になるため、デザイン性や一体感では一体型に劣る可能性があります。

それでも、既存設備を活用できる柔軟性や初期費用を抑えた導入ができる点は、コストパフォーマンスを重視する法人にとって魅力です。

法人用ソーラーカーポートのメリット

法人用ソーラーカーポートを導入するメリットは6つあります。

  • 駐車場スペースが有効活用できる
  • SDGs・ESG対策になる
  • 災害時の非常用電源の確保ができる(BCP対策)
  • ゼロエミッション充電が可能なEV充電インフラ設備が導入できる
  • 余剰電力の売電による収益化できる
  • 補助金や税制優遇の対象になる

ソーラーカーポートの導入は単なる電力供給にとどまらず、経済面(年間経費削減)、環境面(CO2削減)、経営戦略面(BCP、EVなど)でさまざまなメリットがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

電気料金が削減できる

法人用ソーラーカーポートを導入すると、電気料金の削減効果を期待できます。

発電した電力を事務所や工場、商業施設で直接消費すれば、昼間の電力購入量を減らせます。

特に日中の電力使用が多い業種では、年間で数十万円〜数百万円の電気代節約が期待できるでしょう。

近年は電気料金の高騰が続いており、再生可能エネルギーによる自家発電の経済的メリットがますます大きくなっています。

また、電気料金の削減によって投資回収期間が短縮される点も見逃せません。

法人用の場合、蓄電池なしで自家消費率70%前後の場合は、13年〜18年ほどで回収ができるといわれています。

電力会社から購入する電気の単価が上昇傾向にある今、ソーラーカーポートの導入は固定費の抑制策として有効です。

https://www.tainavi-next.com/self-consumption/

駐車場スペースが有効活用できる

法人用ソーラーカーポートを導入するメリットは、これまで車両の駐車場所だったスペースを、発電設備としても活用できる点です。

特に広い駐車場を持つオフィスや工場、商業施設では、遊休地や未利用地を新たな収益源やコスト削減の資産へと転換できます。

駐車場の屋根部分にソーラーパネルを設置すれば、土地の二重利用が実現し、限られた敷地を最大限に活かせるでしょう。

また、カーポートの設置によって、車両や来訪者の車を雨や強い日差しから守る効果も得られるため、従業員や顧客の満足度を向上できる可能性も高まります。

土地の有効活用と発電による経済的メリットを同時に得られる点は、法人用ソーラーカーポートならではのメリットです。

SDGs・ESG対策になる

法人用ソーラーカーポートの導入は、コスト削減にとどまらず、企業の社会的責任や持続可能性への取り組みを明確に示す手段です。

再生可能エネルギーを導入すると、CO₂排出量の削減や環境負荷の低減に直接貢献できるため、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)に取り組む企業姿勢をアピールすることが可能です。。

このような取り組みは、上場企業や自治体関連、環境志向の取引先を持つ法人にとって、社会的信用力やブランド価値の向上が期待できます。。

サステナビリティレポートなど、法人のホームページでの発信も容易になり、新たなビジネスチャンスの創出も期待できるでしょう。
また、近年では、投資や融資、取引先選定の条件にCSRやESG評価が組み込まれるケースが増えています。

実際に、機関投資家が参照する代表的なESG評価指標である『MSCI ESG Ratings』でも『Opportunities in Renewable Energy』という項目が設定されていたり、『FTSE Russell ESG Scores』でも同様に『Climate Change』という項目が設定され、再エネ比率が投資評価に反映されているなど、再生エネルギー導入は法人の資金調達などにも大きく影響しているのです。
このように、今後はソーラーカーポートの導入が企業経営を安定させる新たな資産となる傾向が強まっています。

災害時の非常用電源の確保ができる(BCP対策)

法人用ソーラーカーポートは、災害時の事業継続計画(BCP)対策でも効果を発揮します。

蓄電池と組み合わせて運用すれば、停電時でも最低限の業務や重要設備への電力供給が可能です。

たとえば、医療機関や介護施設では、通信機器や冷蔵設備、電子カルテサーバーなどの稼働を維持できるため、災害時のリスクを大幅に低減できます。

また、自治体や公共施設では、地域住民への一時避難場所としての機能強化や、災害時の非常用電源としての信頼性向上にもつながるでしょう。

地震や台風などによる大規模停電が社会問題となる昨今、再生可能エネルギーを活用した自立型電源の確保は、企業や地域のレジリエンス強化に直結します。

BCP対策を重視する法人からすると、ソーラーカーポートの導入は効果が得られやすい選択と言えるでしょう。

https://www.tainavi-next.com/library/279/

ゼロエミッション充電が可能なEV充電インフラ設備が導入できる

法人用ソーラーカーポートは、EV(電気自動車)充電設備と組み合わせると、自社発電のクリーン電力を活用したゼロエミッション充電を実現できます。

営業車や社用車の電力を自家発電で賄うため、化石燃料に依存しない環境負荷の少ない運用が可能です。

これにより、CO₂排出削減に貢献し、環境に配慮した企業イメージを強化できます。

また、商業施設や宿泊施設では、来訪者向けのEV充電サービスを提供すれば、差別化や顧客満足度の向上につながります。

EV充電インフラの整備は重要視されているため、ソーラーカーポートとの組み合わせは、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた取り組みとして欠かせません。

自社の環境戦略と顧客サービスを両立させる上で、効果を発揮してくれるでしょう。

余剰電力の売電による収益化できる

法人用ソーラーカーポートで発電した電力のうち、自社で消費しきれない分は電力会社への売電が可能です。

これにより、電気代の削減だけでなく、副収入を獲得できます。

特に大規模な工場や物流施設などの発電規模が大きい法人では、余剰電力の売電による年間収益が数十万円に及ぶケースもめずらしくありません。

売電には、固定価格買取制度(FIT)や市場連動型のFIP制度が活用できる場合があり、導入時の収益予測や事業計画の立案に役立ちます。

発電した電力を資産として活用すれば、企業の財務基盤を強化し、長期的な経営の安定を実現できるでしょう。

また、自家消費と売電のバランスを最適化すると、投資回収期間の短縮やキャッシュフローの改善も期待できます。

https://www.tainavi-next.com/library/490/
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補助金や税制優遇の対象になる

法人用ソーラーカーポートの導入は、国や地方自治体が実施する補助金制度や税制優遇措置の対象となる場合が多いです。

これらを活用すれば、初期投資額の30%ほどを補助金でカバーできる可能性があり、導入コストを大幅に軽減できます。

たとえば、経済産業省や環境省、各都道府県・市区町村が公募する再生可能エネルギー関連の補助金が有名です。

また、中小企業経営強化税制などの制度を利用すれば、即時償却や税額控除によって会計上の負担を軽減でき、実質的な導入コストをさらに下げられます。

補助金や税制優遇の活用は、投資回収期間の短縮やキャッシュフローの改善に有効です。

ただし、申請には専門知識や手続きが必要なため、実績のある業者に相談しながら進めてください。

法人用ソーラーカーポートのデメリット

法人用ソーラーカーポートのデメリットは、7つあります。

  • 初期費用が高額になる
  • メンテナンス費用が必要になる
  • 建築基準法の対象になる
  • 固定資産税の課税対象になる
  • 期待した発電量が得られないこともある
  • 期待した収益や費用削減に繋がらない可能性がある
  • 設置工事による業務への影響がある

ソーラーカーポートは多くのメリットがある一方で、導入前に知っておくべきデメリットや注意点が多くあります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

初期費用が高額になる

法人用ソーラーカーポートの導入は、初期費用が高額になりやすい傾向です。

1基あたり数百万円〜数千万円かかるほか、駐車台数が増えるほど設備や基礎工事、電気工事の費用が増加するため、全体で数千万円規模の投資が必要になるケースも珍しくありません。

特に、大規模な駐車場や高出力の発電設備を希望する場合は、資金計画を慎重に立てる必要があります。

これらの負担を軽減するには、以下の活用が最適です。

  • PPAリース
  • 国・自治体の補助金
  • 税制優遇制度

それぞれを利用すれば、初期費用の30%〜50%ほどをカバーできる可能性があります。

しかし、補助金の申請にはタイミングや条件があるため、交付決定前に着工すると対象外になる場合があります。

したがって、事前の情報収集とスケジュール管理が欠かせません。

設置条件によっては補強費用が発生することもある

ソーラーカーポートを設置する場所の地盤強度や積雪・風圧条件によっては、追加の補強工事が必要になる場合があります。

地盤調査や構造計算が不十分なまま進行すると、施工後にトラブルが発生するリスクが高まります。

専門業者による事前調査と設計を済ませてから、施工するようにしましょう。

また、補強費用は数十万円〜数百万円に及ぶ場合もあるため、導入前に見積もりを取り、全体コストを把握しておくべきです。

メンテナンス費用が必要になる

法人用ソーラーカーポートは、安定した発電と安全な運用を維持するために定期的なメンテナンスが必要です。

特に、法人用途の場合は10年〜20年という長期運用が前提となるため、さまざまな維持管理費用が発生します。

メンテナンス箇所年間の費用(目安)
ソーラーパネル洗浄5万円〜30万円
パワコン交換数十万円〜100万円前後
落雪・落ち葉・鳥害対策実施に応じて発生
電気系統の点検実施に応じて発生

これらの費用はすべて自社で負担する必要があるため、導入前に維持管理コストも含めた長期的な資金計画を立てておく必要があります。

なお、PPAモデルを選択した場合は、メンテナンス費用が事業者負担となるケースが一般的です。

しかし、契約内容によっては一部費用負担が発生する可能性があります。

契約する際は、保証内容や維持管理体制を漏れなく確認しましょう。

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建築基準法の対象になる

法人用ソーラーカーポートは、支柱や屋根、基礎を備えた構造物に該当するため、建築基準法の制限を受けます。

  • 都市計画区域・準都市計画区域内で新築する場合:面積に関係なく必ず建築確認申請が必要(建築基準法第6条第1項1号)
  • 都市計画区域・準都市計画区域外で新築する場合:床面積が10㎡を超える場合に建築確認申請が必要
  • 既存建築物の増築・改築:10㎡を超える部分については確認申請が必要

そのため、設計段階から建築士や専門業者と連携し、建ぺい率・容積率・高さ制限・用途地域などの要件を満たす必要があります。

都市部や住宅地にある法人の場合には、用途地域の制限が厳しく、希望する規模で設置できないケースもあります。

建築基準法適合の確認を怠って工事を進めると、是正指導や工事の停止命令、使用停止命令を受けたり、悪質な場合は罰金を科されるリスクがあるので、設置予定地の建築条件と自治体条例を事前に調査し、必要な確認や手続きを確実に行うように注意しましょう。

固定資産税の課税対象になる

法人用ソーラーカーポートを自社所有で導入した場合、カーポート本体が課税対象の構築物として固定資産税の対象になる可能性があります。

理由は、屋根や支柱、基礎を持つ構造物が建築物とみなされるためです。

ただし、課税の判断基準や評価額は地域によって異なる場合があります。

導入する際は、事前に設置予定地の自治体に確認を取り、どれほどの税負担が発生するかを試算しておきましょう。

固定資産税は初年度だけでなく、毎年継続して発生します。

したがって、設備の償却や会計処理上の影響も含めて、長期的なコスト計画を立てなければいけません。

特に大規模なソーラーカーポートの場合は、税負担が経営に与える影響が大きくなるため、導入前のシミュレーションと専門家への相談が必要です。

https://www.tainavi-next.com/library/229/

期待した発電量が得られないこともある

法人用ソーラーカーポートの発電量は、設置する地域の日照条件やパネルの容量、方位・角度、周辺の遮蔽物の有無など、さまざまな要因に左右されます。

そのため、導入前に想定していた発電量が実際には得られないケースも珍しくありません。

以下のようなケースでは、期待した電気代削減効果が実現しないリスクが高まります。

  • 敷地の一部が日陰になる
  • 近隣の建物や樹木が影を落とす
  • 設計時のシミュレーションが不十分だった場合

発電量が想定を下回ると、投資回収年数が延びたり、売電収益が計画より少なくなったりする可能性があります。

こうしたリスクを避けるには、複数の業者に発電シミュレーションを依頼し、日射量や設計条件を十分に比較検討する必要があります。

また、定期的な点検やメンテナンスでパネル性能を維持し、発電効率の低下を防ぐ取り組みも必要です。

https://www.tainavi-next.com/library/407/

期待した収益や費用削減に繋がらない可能性がある

法人用ソーラーカーポートの収益性は、電気料金の動向や売電単価に影響されます。

電力の自家消費によるコスト削減効果は、購入電力単価が高いほどメリットが大きくなりますが、電気料金が下がれば節約効果は低くなる傾向です。

また、売電収入は固定価格買取制度(FIT)や市場連動型のFIP制度などの政策に依存しているため、制度変更や市場価格の変動によって収益が不安定になるリスクがあります。

特にFITの買取期間終了後は、売電価格が大幅に下がる場合が多いため、収益計画の見直しが必要です。

こうしたリスクを軽減するには、電力市場の動向を注視し、長期的なエネルギー戦略を策定していく必要があります。

自家消費を最大化し、売電依存度を下げる運用方法や蓄電池の活用によるピークカットを検討しましょう。

設置工事による業務への影響がある

法人用ソーラーカーポートの設置工事は、規模や施工内容によって数週間から数ヶ月かかります。

工事期間中は駐車場の一部またはすべてが使用できなくなるため、従業員や来訪者の駐車スペースが減少し、業務や来客対応に支障をきたす可能性があります。

特に、物流拠点や商業施設など車両の出入りが多い場所では、駐車場の一時閉鎖が業務効率に影響を与えるでしょう。

したがって、事前に代替駐車場の確保や動線の見直しを行わなければいけません。

また、工事中の騒音や振動、工事車両の出入りによる安全管理にも注意が必要です。

円滑な工事進行と業務への影響最小化を実現するには、施工業者と綿密なスケジュール調整を行い、関係者への周知徹底や安全対策を講じる必要があります。

工事計画の段階でリスクを洗い出し、対応策を準備しておけば、トラブルを防ぎスムーズな導入が可能です。

法人用ソーラーカーポートの導入方法は3種類

法人用ソーラーカーポートの導入方法は、3種類あります。

  • 自己所有型(自社で購入)
  • リース型
  • PPA型(第三者が所有)

どれが効果的かを考えて、導入を検討すべきです。

それぞれ詳しく解説します。

自己所有型(自社で購入)

自己所有型は、法人が自らの資金でソーラーカーポートを購入し、設備を自社で所有・運用する方法です。

初期投資が大きい一方で、発電した電力をすべて自社で使用できるため、電気代の削減効果を最大限に得られます。

また、余剰電力を売電すれば追加の収益を得られるでしょう。

設計の自由度は高く、自社のニーズや敷地条件に合わせて最適なシステムを構築できるのも特徴です。

さらに、国や地方自治体が提供する補助金や税制優遇制度を活用すれば、導入コストを大幅に抑えられます。

ただし、デメリットもあります。

  • 初期費用が高額になりやすい
  • 維持管理費用の負担
  • 建築基準法などの法令遵守が必要になる

加えて、運用するには設備の保守や点検、パワーコンディショナーの交換、固定資産税の支払いなど、長期的なコストを見込んだ資金計画が欠かせません。

リース型

リース型は、ソーラーカーポートをリース契約により導入する方法で、初期費用を大幅に抑えられます。

法人は設備を購入せず、リース会社から一定期間借りる形となるため、まとまった資金を用意せずに再生可能エネルギーの導入が可能です。

また、発電した電力は自家消費できるため、電気料金の削減効果を享受しつつ、設備の所有や維持管理の負担を軽減できます。

ただし、リース契約は一般的に長期間にわたるため、契約期間中の解約は原則として困難です。

中途解約を希望する場合は、違約金や設備撤去費用が発生する可能性があります。

そのため、契約締結前に契約内容を詳細に確認し、将来的な事業計画や資金繰りと照らし合わせて慎重に判断する必要があります。

PPA型(第三者が所有)

PPAモデルは、法人自身が設備を購入するのではなく、PPA事業者と呼ばれる第三者がソーラーカーポートを設置し、その設備を所有・管理する仕組みです。

法人は自社の敷地や駐車場スペースをPPA事業者に提供し、そこで発電された電力を一定期間、定められた単価で購入します。

特徴は、法人側に初期投資が発生しないため、資金負担を抑えて再生可能エネルギーの導入が可能な点です。

設備投資や維持管理のリスクをPPA事業者が負担してくれるため、法人は設備のメンテナンスや修理などの手間をかけずに、発電された電力を利用できます。

したがって、運用負担が大幅に軽減される方法です。

また、契約期間終了後には、設備を無償で譲渡される場合や撤去してもらえる場合もあり、契約内容によって柔軟な対応ができます。

一方で、契約期間中は発電された電力をPPA事業者から購入し続ける必要があります。

そのため、電力単価や契約条件は事前確認が必要です。

加えて、設備の所有権は契約期間中はPPA事業者にあるため、設備の仕様や運用方法に一定の制約が生じる可能性があります。

https://www.tainavi-biz.com/cost_reduction/4066/

法人用ソーラーカーポートの導入価格相場

法人用ソーラーカーポートの導入価格は、設置規模や仕様、地域によって異なります。

一般的な価格相場は、以下のとおりです。

タイプ価格相場
1台用約150万円
2台用約220万円
3台用約300万円
4台用約350万円

※あくまで参考値です。詳細な金額については設置業者に見積もってもらう必要があります。

価格には、太陽光発電システム本体と標準的な工事費用が含まれています。

太陽光発電設備や工事費用を含めると、全体で数百万円〜数千万円規模の投資が必要です。

なお、設置台数が多いほど1台あたりのコストが割安になりやすく、メーカーや設置場所の条件によって価格が変動します。

次項では、導入価格を安くするポイントを解説します。

法人用ソーラーカーポートの導入価格を安くするポイント

法人用ソーラーカーポートの導入価格を安くするポイントは、7つあります。

  • 補助金・助成金を活用する
  • 経営強化税制などの税制優遇を利用する
  • PPAモデルを選択する
  • 太陽光とカーポートをセットで発注する
  • 低圧(50kW未満)の設計に抑える
  • 標準構造型(片持ち式など)を選ぶ
  • 複数の施工業者に相見積もりを取る

導入には数百万円〜数千万円の初期投資が必要ですが、導入の工夫や支援制度の活用によってコストを大きく抑えられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

補助金・助成金の活用する

国や都道府県、市区町村が実施する補助金制度を活用すると、導入費用を最大で50%カバーできる場合があります。

たとえば2024年度の環境省『再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業(ソーラーカーポート等)』では、補助対象経費の3分の1(上限1億円)が補助されました(※年度により変動)。

ただし、利用するには導入設備の発電量の50%以上を自家消費するなど、複数の要件を満たさなければいけません。

経営強化税制などの税制優遇を利用する

中小企業経営強化税制などの税制優遇を利用すれば、設備投資額の即時償却や最大10%の税額控除が可能です。

これにより、会計上の負担を軽減し、実質的なコストをさらに圧縮できます。

ただし、税制優遇の適用には、経済産業局へ経営力向上計画を提出するなど事前申請や要件確認が必要です。

PPAモデルを選択する

PPA(Power Purchase Agreement)モデルを活用すれば、設備費や工事費はすべて第三者(PPA事業者)が負担してくれるため、法人は初期投資ゼロでソーラーカーポートを導入できます。

月々の電力購入費のみで再生可能エネルギーを利用でき、資金を温存できる点がメリットです。

ただし、契約期間は10年〜20年と長期になるため、契約条件や解約条項を事前に確認する必要があります。

太陽光とカーポートをセットで発注する

太陽光とカーポートをセットで発注すれば、既存カーポートへの後付けよりも全体コストを抑えられます。

ソーラーカーポートの導入費用を安くしたい場合は、最初からソーラーカーポート一体型を依頼しましょう。

そうすれば、材料費や工事費の最適化が図れます。

低圧(50kW未満)の設計に抑える

発電容量を50kW未満(例:49.5kW)に抑えると、一般的に低圧連系扱いとなるため、コストを抑えやすくなります。ただし、地域によっては取り扱いが異なるため注意が必要です。

また、50kW以上の「事業用電気工作物」の場合は、電気主任技術者の配置や高額な安全機器を導入をする必要があります。

したがって、年間電力需要と発電容量をすり合わせて、最適な設計になるよう計画を立てましょう。

標準構造型(片持ち式など)を選ぶ

法人用ソーラーカーポートの導入費用を安くするには、特注設計や豪雪・強風対応型ではなく、標準仕様の片持ち式カーポートを選択しましょう。

そうすれば、余計なコストが発生しないため、材料費や施工費を抑えられます。

ただし、強度基準を満たしつつ、過剰設計とならないよう注意が必要です。

複数の施工業者に相見積もりを取る

複数の施工業者に見積もりを依頼すると、同じ仕様でも価格に大きな差が生じる場合があります。

事実、業者によって100万円以上の価格差が出るケースは珍しくありません。

こうした価格差を見逃さず、最適な条件で導入するには、複数社から見積もりを集めて比較検討をする必要があります。

「タイナビNEXT」のような一括見積もりサービスを利用すれば、手間をかけずに複数の施工業者から見積もりを取得可能です。

価格だけでなく、施工実績やアフターサポートの内容、工事期間なども総合的に比較できるため、納得のいく業者選びを実現できます。

納得できる条件で導入するためにも、タイナビNEXTを利用して内容を精査してから注文してください。

法人用ソーラーカーポート導入による経済効果シミュレーション

法人用ソーラーカーポートを企業が導入するかどうかを判断するためには、「かけた初期費用をどれぐらいで回収できるのか」「どれぐらいの年間経済効果が見込めるのか」が重要なポイントです。

実際に法人ソーラーカーポートの導入にどれぐらいの初期費用がかかり、何年で回収が見込めて、どれぐらいの年間経済効果が見込めるのかを以下の条件でシミュレーションしていきましょう。

  • 地域:東京都(年間日射量 約1,200kWh/kW)
  • 太陽光パネル:出力1kWあたり年間1,200kWh発電
  • 電気単価:25円/kWh(商業電力契約)
  • 自家消費率:80%(残り20%は余剰売電 @10円/kWh)
  • 補助金:設備費の30%補助あり(国+都補助併用)
  • 耐用年数:20年
  • メンテナンス費:年5万円程度(規模による)

※上記条件はあくまで参考値になります。各自治体の補助金の有無や設置するエリアや場所、日照量などによって経済効果は変わってきます。詳しくは設置業者にシミュレーションしてもらいましょう。

小規模事業者(10kW・5台分)の場合

  • 設置費用:約350万円(補助後245万円)
  • 年間発電量:約12,000kWh
  • 自家消費分:約9,600kWh × 25円 = 24万円/年
  • 売電収入:約2,400kWh × 10円 = 約2.4万円/年
  • 年間合計効果:約26.4万円
  • 投資回収年数:約9年(補助金活用後)

中規模事業者(30kW・15台分)の場合

  • 設置費用:約850万円(補助後595万円)
  • 年間発電量:約36,000kWh
  • 自家消費分:約28,800kWh × 25円 = 約72万円/年
  • 売電収入:約7,200kWh × 10円 = 約7.2万円/年
  • 年間合計効果:約79.2万円
  • 投資回収年数:約7.4年(補助金活用後)

大規模事業者(50kW・25台分)の場合

  • 設置費用:約1,300万円(補助後910万円)
  • 年間発電量:約60,000kWh
  • 自家消費分:約48,000kWh × 25円 = 約120万円/年
  • 売電収入:約12,000kWh × 10円 = 約12万円/年
  • 年間合計効果:約132万円
  • 投資回収年数:約6.8年(補助金活用後)

法人用ソーラーカーポート導入のために検討すべきこと

法人用ソーラーカーポート

法人がソーラーカーポートを導入する際には、具体的に以下の6点について検討する必要があります。

  • 設置場所(敷地・スペース)
  • 設置条件(地盤・構造)
  • 電気の活用用途
  • 法令・建築制限
  • 予算・費用
  • 保守・運用

それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

設置場所(敷地・スペース)

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、まず設置できる場所があるのか検討する必要があります。

場所がないと、そもそも設置ができないので注意しましょう。

設置を検討する際は、以下の項目をチェックしてください。

チェックすべき項目内容
駐車スペースの広さ・形状車両台数分の確保+構造物の配置余裕があるか
日当たりの良さ日射遮蔽物(建物・樹木・看板など)の有無
導線の安全性来客・従業員の動線確保が可能か(支柱の位置など)

特に、日照シミュレーションや敷地測量が実施されているかがポイントです。

設置条件(地盤・構造)

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、設置に耐えられる地盤なのか、どのような構造のソーラーカーポートなら導入できるのかを調べなければいけません。

耐えられない地盤であれば、別途補強工事が必要になるため注意が必要です。

設置条件では、以下の項目をチェックしましょう。

チェックすべき項目内容
地盤の強度・舗装状態地盤が軟弱なら基礎補強が必要になるためコスト増
積雪・風速への対応強風地帯や豪雪地域では、耐雪・耐風強度設計が必須
構造タイプの選定片持ち式・連棟型・一体型 or 搭載型を選べるか

このように、工事内容やコストは地盤や構造によって大きく異なります。

電気の活用用途

法人用ソーラーカーポートを導入し経済効果を得るには、発電した電気をどのように活用するかを検討する必要があります。

発電容量や設計は、利用用途や運用目的によって変わります。

電気の活用用途では、以下の項目をチェックしましょう。

チェックすべき項目内容
自家消費 or 売電 or EV充電用か?運用目的で発電容量・設計が変わる
電力会社との連系が可能か?受電契約(高圧 or 低圧)と連系協議の要否
将来的なEV対応や蓄電池併設の予定があるか?将来的に追加できる容量・設計になっているか

こうした要因に加え、電気代高騰や売電単価の低下、PPAやリースの場合は契約条件の変動リスクも検討しておく必要があります。

法令・建築制限

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、建築物として立てられるかを検討する必要があります。

法令や建築制限では、以下の項目をチェックしましょう。

チェックすべき項目内容
建築基準法への適合性建ぺい率・容積率・用途地域・建築確認申請の要否
建築物としての申請が必要か?屋根面積が10㎡以上であれば、原則として建築確認が必要
設置場所の所有者が法人か?賃借地・複数オーナー地の場合は許諾が必要

これらに加えて、太陽光発電システムの系統連系手続きも必要です(電力会社)。

予算・費用

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、自己所有やPPA、リースなど、どの方法を用いるか決定しましょう。

また、どれぐらいの予算をかけられ、どのぐらいのスパンでの投資回収を見込んでいるかを検討する必要があります。

具体的には、以下の項目をチェックしてください。

チェックすべき項目内容
設置費用と投資回収年数の試算たとえば、10年以内に回収ができるかどうか
固定資産税の増加・会計処理上の影響償却や資産評価

また、補助金や税制優遇の活用の可否も検討しておくべきです。

  • 国・都道府県・市町村の補助金に該当するか?
  • 申請時期・交付決定前の着工禁止ルールを守れるか?
  • 中小企業経営強化税制(即時償却/税額控除)の対象か?

それぞれを確認しておくと、費用を抑えた導入を実現できます。

保守・運用

法人用ソーラーカーポートは、どのような保守・運用を行っていくかの検討も忘れてはいけません。

理由は、方法によって費用感が大きく変わるためです。

保守・運用では、以下の項目をチェックしましょう。

  • 定期点検・清掃・パワコン交換などの維持費は計画済みか?
  • 来客・従業員の動線・避難経路と干渉していないか?
  • 設置工事による営業影響や交通導線の変更リスク

ソーラーカーポートの導入は、設置がゴールではありません。

保守や運用を明確にしておかないと、失敗する可能性が高まります。

法人用ソーラーカーポート導入の理想的な設置条件

法人用ソーラーカーポートの理想的な設置条件は、以下のとおりです。

理想の設置条件説明
駐車スペースがある10台で約125㎡〜150㎡以上が目安
日照条件が良い東西南面が望ましい、遮蔽物もない方が良い
地盤が強い補強工事しなくて導入できれば初期費用が安くなる
建築法・地域制限をクリアしている建ぺい率・容積率・用途地域に注意
系統連系が可能売電・自家消費を前提にするケースで有効
所有・使用権が明確地主との契約・同意が必要な場合あり
建築確認を通せる施工業者または建築士の対応が必要

これらを満たしていると、導入がしやすくなります。

ただし、条件を満たしていない場合でも、導入できる可能性はあります。

設置条件で悩んでいる場合は、専門業者に相談しながら検討しましょう。

法人用ソーラーカーポート導入で失敗しないポイント

法人用ソーラーカーポート導入で失敗しないポイントは、以下のとおりです。

  • 設置目的を明確にする
  • 発電シミュレーションを複数業者に依頼する
  • 自社の電気使用状況に合った発電容量を選ぶ
  • 建築基準法や地域条例に対応できる業者を選ぶ
  • メンテナンス・保証体制まで確認する
  • 補助金・税制の提案までできるかを確認する
  • PPA・自己所有・リースの“契約方式”を比較検討する

それぞれ詳しく解説します。

設置目的を明確にする

法人用ソーラーカーポートの導入では、設置目的を明確にする必要があります。

  • 電気代削減
  • 自家消費
  • EV充電
  • BCP対策
  • 売電収入
  • ブランディング

これらが曖昧だと、設備設計がブレます。

また、最適な発電容量や設計、連携機器(蓄電池・EV設備)は目的によって異なるため、ゴールを明確にしてから計画を立てなければいけません。

発電シミュレーションを複数業者に依頼する

ソーラーカーポートは、同じ出力でも以下によって発電量が変わります。

  • 日射量
  • 方位
  • 傾斜
  • 設計条件

したがって、発電予測や電気代削減額がざっくりしている状態では、たしかな発電シミュレーションを行えません。

正確な日射シミュレーションと削減シナリオを出すためにも、複数の専門業者に依頼して比較しましょう。

自社の電気使用状況に合った発電容量を選ぶ

太陽光発電システムは、たくさん発電すればお得というわけではありません。

発電量が昼間の電気使用量よりも大幅に上回ると、売電に頼る=投資回収に時間がかかる状態を生み出します。

月別・時間別の電力使用データ(電力会社の明細)をもとに、最適な容量を設定する必要があります。

建築基準法や地域条例に対応できる業者を選ぶ

ソーラーカーポートは建築物として扱われるため、以下の制限を受けます。

  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 高さ制限
  • 用途地域

特に都市部や住宅地では、建築確認申請が通らないケースもあるため注意が必要です。

したがって、導入には建築基準法や地域条例などの法令知識をもつ専門業者(建築士在籍)への依頼が欠かせません。

メンテナンス・保証体制まで確認する

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、メンテナンスと保証体制の確認が必要です。

特に、以下のポイントをチェックして選びましょう。

  • パネル清掃
  • パワコン交換
  • 台風・雪害などのアフター体制

10年〜20年の運用では、さまざまな問題が起こる可能性があります。

安心して運用するためにも、以下のポイントも事前に確認しておきましょう。

  • メーカー保証年数(20年が目安)
  • パワコン保証(10年〜15年)
  • 年1回点検・報告レポートの有無
  • 損害保険(自然災害対応)の提案があるか

メンテナンスと保証体制を把握した上で導入すれば、確かなプランを立てられます。

補助金・税制の提案までできるかを確認する

法人用ソーラーカーポートを導入する際は、補助金申請のサポートに対応してくれる業者を選ぶべきです。

対応していない業者に依頼すると、補助金などを活用できない可能性が高まるため、最大で数百万円以上損をする可能性があります。

補助金に強い業者を選べば、申請代行から施工、報告書までワンストップで対応してもらえます。

PPA・自己所有・リースの“契約方式”を比較検討する

初期費用ゼロのPPAモデルは魅力ですが、長期契約(10年〜20年)になる点がデメリットです。

特に、将来の移転や撤退が見込まれる法人からすると、適さない場合もあるでしょう。

自社所有は資産計上に加えて即時償却も可能ですが、初期投資が必要です。

契約方式は、目的と資金の余裕に応じて最適なものを選んでください。

タイナビNEXによる法人用ソーラーカーポートの導入事例

タイナビNEXTで法人用ソーラーカーポートの導入された事例をいくつかご紹介します。

E発電所カーポート

容量が35kWの法人用ソーラーカーポートです。

設置場所宮崎県
物件名E発電所カーポート
設置容量35kW
施工会社樹昇
メーカーカナディアンソーラー

カーポート

225kW規模の法人用ソーラーカーポートです。

設置場所岡山県
物件名カーポート
設置容量225kW
施工会社茂山組
メーカーQセルズ

法人用ソーラーカーポートでおすすめの販売メーカー

法人用ソーラーカーポートでおすすめの販売メーカーは、以下のとおりです。

メーカー名特徴
カケフ住建国内設計・生産、75年の鉄加工技術を活かした強度、建築確認の申請代行にも対応している
ネクストエナジー・アンド・リソース個別設計に対応、屋根の高さ指定や景観配慮の配色が可能
サンエイ工務店低コストでの提供が魅力、1台から選べるバリュー型もあり、勾配をつけるための土台が不要

これらのメーカーはそれぞれ異なる特徴を持ち、企業のニーズに応じたソーラーカーポートの提供を行っています。

特に、設計の柔軟性やコスト面でのメリットが評価されている点が魅力です。

ただし、自社に最適なメーカーを選ぶなら、さまざまな候補から比較をする必要があります。

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